競馬で「1番人気」はどのくらい勝つのか。感覚的には「3回に1回くらい」という印象を持っている方も多いかもしれません。JRA の直近5年分(2021〜2025年)のデータを使って、実際の数字を確認してみます。
人気別の勝率
まず、人気順ごとの勝率・連対率(2着以内)・複勝率(3着以内)を見てみます。
| 人気 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|
| 1番人気 | 33.5% | 52.8% | 65.3% |
| 2番人気 | 19.9% | 38.1% | 52.5% |
| 3番人気 | 13.2% | 27.9% | 41.8% |
| 4番人気 | 9.2% | 21.1% | 34.0% |
| 5番人気 | 7.1% | 16.4% | 26.8% |
| 6番人気 | 5.3% | 12.6% | 21.7% |
1番人気の勝率は約33%。3回に1回は勝つという感覚はおおむね正しいようです。複勝率は65%を超えており、3着以内にはかなりの確率で来ています。
2番人気以降は順当に下がっていきますが、注目したいのは1番人気と2番人気の差です。勝率で約14ポイントの差があり、想像以上に開いています。
勝率は安定しているか
1番人気の勝率が年によって大きくブレるのか、それとも安定しているのか。年別に見てみます。
| 年 | レース数 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|
| 2021 | 3,445 | 33.1% | 64.2% |
| 2022 | 3,447 | 34.2% | 65.6% |
| 2023 | 3,444 | 33.2% | 64.1% |
| 2024 | 3,429 | 34.6% | 66.7% |
| 2025 | 3,444 | 33.0% | 65.2% |
33〜35% の狭い範囲に収まっています。年間3,400レース以上あるのでサンプル数は十分で、この安定ぶりはオッズの集合知がよく機能していることを示しているのかもしれません。
条件別に見ると
同じ1番人気でも、条件によって勝率は変わります。
芝とダート
| コース | 勝率 |
|---|---|
| 芝 | 33.0% |
| ダート | 34.0% |
ほぼ同程度ですが、ダートのほうがわずかに高い傾向があります。
クラス別
| クラス | レース数 | 勝率 |
|---|---|---|
| 2勝クラス | 2,528 | 35.9% |
| 未勝利 | 6,693 | 34.9% |
| 新馬 | 1,549 | 34.4% |
| 1勝クラス | 4,998 | 33.2% |
| 3勝クラス | 1,153 | 29.4% |
| オープン | 1,660 | 27.3% |
クラスが上がるほど勝率が下がる傾向があります。オープンクラスでは27%台まで下がっており、上位クラスでは出走馬の実力が拮抗していることが読み取れます。
回収率の観点から
勝率が高いということは、1番人気を買い続ければ儲かるのかというと、そうではありません。
人気別の単勝回収率を見てみます。
| 人気 | 勝率 | 回収率 |
|---|---|---|
| 1番人気 | 33.5% | 79.8% |
| 2番人気 | 19.9% | 80.7% |
| 3番人気 | 13.2% | 77.7% |
| 4番人気 | 9.2% | 74.9% |
| 5番人気 | 7.1% | 79.7% |
| 6番人気 | 5.3% | 80.0% |
1番人気の回収率は約80%。勝率は高いですがオッズが低いため、100円買うごとに平均で約80円しか返ってきません。そして2〜6番人気もおおむね同程度の回収率になっています。
これは払戻率(単勝は80%)に近い値であり、オッズがファンの集合知によって適正な水準に収束していることを示しています。勝率の高い1番人気を買っても、勝率の低い人気薄を買っても、長期的な回収率には大きな差がないということです。
1番人気の勝率は約33%で、年による変動も小さく安定しています。ただし、クラスが上がるほど勝率は下がり、オープンクラスでは27%程度になります。そして回収率の観点では、どの人気帯を買っても大きな差はありません。「1番人気は堅い」というのは勝率の話としては正しいですが、それがそのまま馬券の収益に結びつくわけではないということです。