新馬戦の記事では種牡馬ごとに勝率に大きな差がありました。ここではさらにクラス別(新馬→未勝利→1勝→2勝→3勝→オープン)の勝率を比較し、種牡馬ごとの傾向を見ていきます。
なお、全体平均はどのクラスでも7〜8%前後でほぼ一定です。1レースあたりの出走頭数が大きく変わらないためで、クラス間の勝率差は種牡馬の特性をそのまま反映していると考えてよさそうです。
芝のクラス別勝率
芝で特徴的な6頭をピックアップしました。カッコ内は出走数です。
| 種牡馬 | 新馬 | 未勝利 | 1勝 | 2勝 | 3勝 | OP |
|---|---|---|---|---|---|---|
| モーリス | 25.42% (59) | 6.53% (199) | 7.54% (199) | 7.69% (104) | 5.00% (60) | 3.81% (105) |
| エピファネイア | 24.10% (83) | 12.63% (293) | 9.80% (296) | 6.03% (116) | 1.45% (69) | 8.79% (91) |
| キタサンブラック | 10.98% (82) | 9.68% (155) | 17.65% (102) | 20.31% (64) | 21.05% (38) | 7.06% (85) |
| キズナ | 15.38% (78) | 15.23% (243) | 9.17% (240) | 11.90% (126) | 11.11% (81) | 6.04% (182) |
| シルバーステート | 2.86% (70) | 6.32% (174) | 3.52% (142) | 11.11% (81) | 8.11% (37) | 12.24% (49) |
| ロードカナロア | 13.64% (66) | 9.64% (166) | 13.61% (147) | 16.19% (105) | 6.98% (129) | 8.82% (136) |

成長タイプ:キタサンブラック
キタサンブラックは新馬10.98%、未勝利9.68%と下級クラスでは目立ちませんが、1勝クラスから急上昇します。1勝17.65%、2勝20.31%、3勝21.05%と、クラスが上がるほど勝率が上がるパターンです。3勝クラスは38走と少なめですが、2勝クラスも64走で20%を超えており傾向ははっきりしています。
オープンでは7.06%に下がります。2025年は5歳世代(ソールオリエンスら)が重賞で33走0勝と振るわなかった影響が大きく、3歳(ダービーなど3勝)や6歳(富士Sなど2勝)は結果を出しています。また、オープンは条件戦を勝ち上がった馬だけが集まるクラスなので、条件戦ほどの力の差が出にくい面もあります。
早熟タイプ:モーリス・エピファネイア
モーリスは新馬25.42%が突出していますが、未勝利で6.53%に急落し、以降は7%前後で推移します。オープンでは3.81%と全体平均を下回ります。新馬戦の勝率の高さは、昇格後の成績には結びついていません。
エピファネイアも新馬24.10%から徐々に下がり、3勝クラスでは1.45%(69走で1勝)です。ただしオープンでは8.79%と持ち直しており、上位まで勝ち上がった産駒には一定の力があるようです。
晩成タイプ:シルバーステート
シルバーステートは新馬2.86%、1勝3.52%と下級クラスでは全体平均を大きく下回ります。ところが2勝クラスで11.11%、オープンで12.24%と上がっていきます。オープンは49走のため参考値ですが、下級での弱さと上級での強さの落差は全種牡馬で最も大きく、特徴的な傾向です。
安定型:キズナ・ロードカナロア
キズナは新馬15.38%、未勝利15.23%と下級で強く、1勝クラスで9.17%に下がるものの、2勝11.90%、3勝11.11%とその後は10%以上を維持します。オープンでも6.04%(182走)と、クラスを問わず安定した成績です。
ロードカナロアも新馬から2勝クラスまで13〜16%と高い水準が続きます。2勝クラスの16.19%(105走)がピークで、3勝で6.98%に下がりますが、オープンでは8.82%(136走)と再び上がります。
ダートのクラス別勝率
ダートは5頭をピックアップしました。
| 種牡馬 | 新馬 | 未勝利 | 1勝 | 2勝 | 3勝 | OP |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ドレフォン | 4.76% (42) | 10.22% (186) | 9.93% (272) | 6.51% (169) | 7.94% (63) | 11.43% (70) |
| シニスターミニスター | 6.25% (32) | 6.90% (145) | 15.44% (136) | 9.29% (140) | 5.71% (70) | 4.35% (46) |
| ヘニーヒューズ | 6.25%* (16) | 8.74% (103) | 10.14% (138) | 5.71% (105) | 7.41% (54) | 3.08% (65) |
| パイロ | 6.67% (30) | 7.58% (132) | 6.19% (113) | 11.29% (62) | 15.38%* (26) | 10.53%* (19) |
| ロードカナロア | 0.00%* (10) | 15.38% (104) | 9.14% (175) | 6.84% (117) | 9.80% (51) | 9.62% (52) |
*出走数が少ないため参考値としてご覧ください。

安定型:ドレフォン
ドレフォンは新馬4.76%こそ低いですが、未勝利10.22%、1勝9.93%、オープン11.43%と、クラスを問わず安定しています。オープン70走で11.43%は全体平均(6.90%)を大きく上回っており、最上級まで力が通用する種牡馬です。
1勝クラスピーク:シニスターミニスター
シニスターミニスターは新馬6.25%、未勝利6.90%と下級では全体平均並みですが、1勝クラスで15.44%(136走)に跳ね上がります。2勝クラス以上では下がっていくものの、この1勝クラスでの爆発力は特徴的です。
成長タイプ:パイロ
パイロは新馬6.67%、1勝6.19%と下級では平凡ですが、2勝11.29%、3勝15.38%と上がっていきます。3勝クラスは26走、オープンは19走と少ないため参考値ですが、芝のキタサンブラックに近い上昇パターンです。
未勝利最強:ロードカナロア
ロードカナロアはダート未勝利で15.38%(104走)と高い勝率を示しますが、1勝クラス以降は9%前後に落ち着きます。3勝9.80%、オープン9.62%と上級でも安定はしており、全体的に手堅い成績です。
まとめ
クラス別の勝率を比較することで、種牡馬ごとの早熟・晩成の傾向がデータから確認できました。
- 早熟タイプ: モーリス、エピファネイア。新馬戦で高い勝率を示すが、昇格後は全体平均並みに落ち着く
- 成長タイプ: キタサンブラック(芝)、パイロ(ダート)。下級クラスでは目立たないが、クラスが上がるほど勝率が上がる
- 晩成タイプ: シルバーステート。下級で全体平均を下回り、2勝クラス以上で本領発揮
- 安定タイプ: キズナ(芝)、ドレフォン(ダート)、ロードカナロア。クラスを問わず全体平均以上
新馬戦の勝率だけでは「早い時期に完成する」のか「下級で勝ちやすいだけ」なのかは判断できません。クラス別に見ることで、その違いがはっきりします。
本記事の集計は、原則として 2021〜2025 年の JRA レースの公開データに基づいています。集計条件や計算式は記事中に明記していますが、データの集計や解釈に誤りがある可能性もありますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。
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