馬場状態でタイムはどれくらい変わるかや道悪は荒れるのかで、芝の道悪は荒れやすく、ダートはむしろ堅くなることを確認しました。では、道悪への強さは種牡馬によって違うのか。良馬場と道悪(稍重・重・不良)に分けて、種牡馬ごとの勝率を比較します。
集計条件は以下のとおりです。
- 対象: 2021〜2025年のJRA平地レース(障害除く)
- 勝率 = 1着数 / 出走数
- 道悪 = 稍重・重・不良をまとめて集計
- 良馬場500走以上、道悪100走以上の種牡馬を対象
体重帯の分析と同様に、馬場状態で分割するとセルあたりの出走数が減るため、2021〜2025年の5年分を集計しています。
芝の馬場状態別勝率
カッコ内は出走数です。差は「道悪の勝率 - 良の勝率」で、プラスは道悪で成績が上がることを意味します。
| 種牡馬 | 良 | 道悪 | 差 |
|---|---|---|---|
| キタサンブラック | 11.92% (1,418) | 13.60% (397) | +1.68 |
| ルーラーシップ | 7.03% (2,505) | 8.53% (750) | +1.50 |
| ゴールドシップ | 5.97% (2,294) | 7.19% (709) | +1.22 |
| ドゥラメンテ | 9.98% (2,565) | 9.97% (712) | -0.01 |
| キズナ | 10.93% (3,175) | 10.63% (903) | -0.30 |
| エピファネイア | 9.59% (3,515) | 8.96% (960) | -0.63 |
| モーリス | 10.43% (2,752) | 8.87% (744) | -1.56 |
| ロードカナロア | 11.01% (3,650) | 9.09% (1,012) | -1.92 |

道悪で上がる:キタサンブラック・ルーラーシップ・ゴールドシップ
キタサンブラックは道悪で13.60%(397走)と、良馬場の11.92%から約1.7ポイント上昇しています。距離適性の分析では長距離で強いことがわかっていましたが、道悪でもプラスに出ており、パワーが問われる条件に強い種牡馬です。
ルーラーシップ(+1.50)とゴールドシップ(+1.22)も道悪でプラスです。いずれもステイゴールド系の種牡馬で、血統的な共通点がありそうです。ゴールドシップは良馬場の勝率が5.97%と低いぶん、道悪のほうがむしろ狙い目ともいえます。
ほぼ変わらない:ドゥラメンテ・キズナ・エピファネイア
ドゥラメンテ(-0.01)、キズナ(-0.30)は良馬場と道悪でほぼ同じ勝率です。エピファネイア(-0.63)もわずかに下がる程度で、馬場状態に左右されにくい安定した種牡馬群です。
道悪で下がる:モーリス・ロードカナロア
ロードカナロアは良馬場の11.01%から道悪で9.09%(-1.92)と、最も大きく下がっています。1,012走と道悪のサンプルも十分です。距離適性の分析では芝の中距離に強いことがわかっていましたが、道悪は苦手な条件のようです。
モーリスも10.43%→8.87%(-1.56)と低下しています。距離適性の分析でマイル型の傾向が出ていた種牡馬で、スピードが活きる良馬場のほうが得意ということかもしれません。
ダートの馬場状態別勝率
| 種牡馬 | 良 | 道悪 | 差 |
|---|---|---|---|
| パイロ | 7.10% (1,324) | 10.76% (734) | +3.66 |
| シニスターミニスター | 10.28% (1,828) | 11.63% (997) | +1.35 |
| ドレフォン | 10.28% (2,003) | 10.92% (1,007) | +0.64 |
| ヘニーヒューズ | 10.01% (2,317) | 9.46% (1,332) | -0.55 |
| ロードカナロア | 9.53% (1,972) | 7.94% (1,158) | -1.59 |
| ルーラーシップ | 7.39% (1,557) | 4.41% (952) | -2.98 |

道悪で上がる:パイロ・シニスターミニスター
パイロは良馬場7.10%→道悪10.76%と、3.66ポイントの大幅な上昇です。道悪のダートでは砂が締まってスピードが出やすくなりますが、パイロ産駒はその恩恵を特に強く受けているようです。
シニスターミニスター(+1.35)も道悪でプラス。ダートの中距離に強い種牡馬で、パワー寄りの適性が馬場悪化でさらに活きる形です。
道悪で下がる:ロードカナロア・ルーラーシップ
ルーラーシップはダートで最も大きく下がっています(7.39%→4.41%、-2.98)。芝では道悪プラスだったのとは対照的です。芝のパワー勝負は得意でも、ダートの道悪は合わないようです。
ロードカナロアもダートで-1.59と低下。芝でも道悪はマイナスだったので、馬場を問わず道悪は苦手な種牡馬といえます。
まとめ
種牡馬ごとに明確な差がありました。
- 芝の道悪に強い: キタサンブラック、ルーラーシップ、ゴールドシップ(いずれもステイゴールド系)
- 芝の道悪に弱い: ロードカナロア、モーリス(スピード型の種牡馬)
- 芝で馬場に左右されない: ドゥラメンテ、キズナ、エピファネイア
- ダートの道悪に強い: パイロ、シニスターミニスター
- ダートの道悪に弱い: ルーラーシップ(芝とは逆)、ロードカナロア
距離適性に続き、馬場状態も種牡馬選びの判断材料になりそうです。特に芝の道悪で「ステイゴールド系はプラス、スピード系はマイナス」という傾向は比較的わかりやすく、レース当日の馬場状態に応じた予想に使える要素かもしれません。
本記事の集計は、原則として 2021〜2025 年の JRA レースの公開データに基づいています。集計条件や計算式は記事中に明記していますが、データの集計や解釈に誤りがある可能性もありますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。
本記事は馬券の購入を推奨・助言するものではありません。詳しくは About および プライバシーポリシー をご覧ください。
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