月別に見るクラス分布の変化 — 2歳・3歳・4歳以上の1年

JRAのレース編成は、年間を通じて大きく変化します。2歳馬のデビュー、3歳未勝利戦の終了、世代間の合流など、月ごとにレースの構成が入れ替わっていきます。今回はクラス別の出走頭数を月単位で集計し、各年齢の1年間の流れを整理しました。

集計条件

  • 対象期間: 2021〜2025年(5年分の合計)
  • 対象: JRA平地レース(障害レースを除く)
  • 馬の年齢はJRAの数え方に準拠(後述)
  • クラスは新馬・未勝利・1勝クラス・2勝クラス・3勝クラス・オープンの6段階

競走馬の年齢は、実際の誕生日に関係なく、生まれた年の1月1日を基準に一斉に加算されます。たとえば2022年5月生まれの馬は、2025年1月の時点で実際には2歳7か月ですが、競馬では3歳として扱われます。本記事の年齢もこのルールに基づいています。

全体の出走頭数

まず年齢別の月別出走頭数の全体像です。

年齢別の月別出走頭数

1〜5月は3歳と4歳以上の2世代で構成されています。6月から2歳馬がデビューし、3世代が同時に走る期間に入ります。全体の出走頭数は月によって約15,000〜20,000頭の幅がありますが、これは開催日数の違いも影響しています。

注目すべきは各年齢の占める割合の変化です。1〜5月は3歳が約半数を占めていますが、10月以降は3歳が大きく減少し、代わりに2歳が増えてきます。

2歳馬 — 6月デビューから拡大へ

2歳馬の月別クラス分布

新馬未勝利1勝OP合計
6月1,6241801,804
7月1,9521,1611013,214
8月2,0621,6433034,008
9月2,1672,832862585,343
10月3,3394,2092442188,010
11月2,5395,0874354448,505
12月2,5515,8167583099,434

2歳馬のレースは6月に始まります。最初は新馬戦が中心で、未勝利戦はわずか180頭。新馬戦で敗れた馬がまだほとんどいないためです。

月を追うごとにデビュー済みの馬が増え、未勝利の頭数が急増していきます。12月には未勝利が5,816頭と最大になり、新馬(2,551頭)の2倍以上です。

2歳戦の特徴は以下のとおりです。

  • すべて2歳限定で、上の世代との混合戦はない
  • クラスは新馬・未勝利・1勝・OPの4段階のみ(2勝・3勝クラスは存在しない)
  • 1勝クラスは9月から新設される
  • OPは7月から。函館2歳Sなどの重賞が始まる時期にあたる
  • 新馬戦で1勝すればOPに出走できる。2歳OPの約75%は1勝馬

3歳馬 — 未勝利戦の終了と世代合流

3歳馬の月別クラス分布

新馬未勝利1勝2勝3勝OP合計
1月2,2656,7241,02440010,413
2月1,1687,3461,31438410,212
3月8,7161,64873511,099
4月8,5511,65058110,782
5月8,6521,73173811,121
6月7,6412,148233712910,158
7月6,7552,24732322699,416
8月6,3972,396415411189,367
9月1,3172,479497723194,684
10月3,1117361482714,266
11月2,5638052311303,729
12月2,4428582311253,656

3歳馬の1年は、大きく3つの時期に分けられます。

1〜2月: 3歳新馬戦の最終期

3歳の新馬戦は1〜2月のみです。2歳のうちにデビューしなかった馬がこの時期に初出走します。1月は2,265頭、2月は1,168頭で、3月以降は新馬戦がなくなります。

3〜8月: 未勝利中心の時期

3〜5月は未勝利が8,500頭以上で、全出走の約80%を占めます。この時期の3歳戦はほぼ未勝利戦です。

6月に大きな転換点があります。レースの区分が「3歳限定」から「3歳以上」に切り替わり、4歳以上の馬と同じレースに出走するようになります。1勝クラスが2,148頭に増え、2勝クラス(233頭)や3勝クラス(7頭)も登場します。これは3歳馬が上の世代の条件戦に参加し始めたことを意味しています。

9月以降: 未勝利の消滅と母集団の縮小

9月末で3歳未勝利戦が終了します。9月の未勝利は1,317頭まで急減し、10月以降はゼロになります。

未勝利のまま勝ち上がれなかった馬は、地方競馬への転出や引退を余儀なくされます。この結果、3歳馬の月間出走頭数は9月の4,684頭から10月の4,266頭へ減少し、1〜5月(約10,000〜11,000頭)の半分以下になります。

10月以降に残る3歳馬は「少なくとも1勝以上している馬」にほぼ限定され、1勝クラスが最大勢力(約2,500〜3,100頭)となります。

4歳以上 — 安定した構造

4歳以上の月別クラス分布

1勝2勝3勝OP合計
1月4,0952,8431,4091,2669,613
2月4,1752,6151,2271,1919,208
3月3,8312,6781,3851,1709,064
4月3,5922,6161,2641,0898,561
5月3,6352,5001,4071,2348,776
6月2,4272,0661,1431,1256,761
7月2,5272,0629678826,438
8月2,3231,8079179515,998
9月2,1181,6769796705,443
10月2,4872,0751,3011,3367,199
11月2,0542,0151,2791,2206,568
12月1,7831,9441,1871,1356,049

4歳以上は新馬・未勝利がなく、1勝〜OPの4クラスで構成されています。

1〜5月は「4歳以上」限定の区分で、月間8,500〜9,600頭の出走があります。6月以降は「3歳以上」に切り替わり、3歳馬と合流するため出走頭数がやや減少します。これはレース自体が減るのではなく、3歳馬と出走枠を分け合うためです。

クラスの構成比はほぼ安定しており、どの月でも1勝クラスが最多、次いで2勝・3勝・OPの順です。3歳馬で見られたような劇的な構造変化はありません。

競走馬の1年の流れ

ここまでの集計を時系列で整理すると、競走馬のキャリアは以下のような流れで進みます。

時期出来事
2歳6月デビュー(新馬戦)。すべて2歳限定
2歳9月2歳1勝クラスが新設される
2歳12月2歳戦の最終月。未勝利馬が最も多い時期
3歳1〜2月3歳新馬戦(2歳でデビューしなかった馬の初出走)
3歳3〜5月未勝利中心。クラシックに向けたOP戦も並行
3歳6月「3歳以上」に切り替わり、上の世代と合流。2勝・3勝クラスが登場
3歳9月末3歳未勝利戦の終了。勝てなかった馬は地方転出や引退へ
3歳10月〜1勝以上の馬だけが残り、出走頭数は半減以下
4歳以降1勝〜OPの安定した構造。大きな変動なし

2歳から3歳にかけてはクラス構成が月ごとに変化し、特に6月の世代合流と9月末の未勝利終了が大きな転換点です。4歳以降はこうした変動がなくなり、安定した構成のまま推移します。

本記事の集計は、原則として 2021〜2025 年の JRA レースの公開データに基づいています。集計条件や計算式は記事中に明記していますが、データの集計や解釈に誤りがある可能性もありますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。

本記事は馬券の購入を推奨・助言するものではありません。詳しくは About および プライバシーポリシー をご覧ください。

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