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なぜ福島は荒れるのか — 開催ごとに見る1番人気の成績

荒れやすい競馬場、堅い競馬場で、福島が1番人気の勝率・勝ち馬の平均オッズ・3連単の平均配当のすべてで最も荒れやすい競馬場であることを確認しました。また、荒れの「頻度」と「規模」は必ずしも一致しないことも見えてきました。

今回はその福島を開催ごとに掘り下げてみます。対象は2021〜2025年のJRA全レースです。

福島の年間開催スケジュール

福島では年3回の開催があります(2021年は2回)。

  • 1回福島(4月・6日間): 春開催
  • 2回福島(6〜7月・8日間): 夏開催
  • 3回福島(11月・6日間): 秋開催

2回福島は8日間と他の2つより長く、年間で最もレース数が多い開催です。

開催ごとの1番人気勝率と平均オッズ

開催レース数1番人気勝率勝ち馬の平均オッズ
1回(春)36032.0%11.7倍
2回(夏)45628.0%11.0倍
3回(秋)28827.7%10.5倍

1番人気の勝率は1回(春)が32.0%で最も高く、夏・秋と下がっていきます。ところが、勝ち馬の平均オッズも1回(春)が11.7倍で最も高くなっています。1番人気がよく勝つのに、平均オッズが高い。一見矛盾するようですが、前の記事で触れたように、荒れる「頻度」と「規模」は別物です。

勝ち馬の人気帯を見ると、その構造がわかります。

開催7番人気以下の勝利割合そのときの平均オッズ
1回(春)15.0%47.5倍
2回(夏)13.2%44.1倍
3回(秋)19.7%30.9倍

1回(春)は大穴が来る頻度こそ15.0%と控えめですが、来たときの平均オッズが47.5倍と非常に高い。一方、3回(秋)は大穴の頻度が19.7%と最も高いものの、オッズは30.9倍にとどまります。

つまり、春は「荒れる回数は少ないが、荒れたときの振れ幅が大きい」パターン。秋は「まんべんなく荒れるが、超大穴は少ない」パターンです。

3連単の平均配当

頻度と規模を合わせた3連単で見てみます。

開催レース数平均配当10万円超の割合
1回(春)360148,612円23.9%
2回(夏)456169,933円22.8%
3回(秋)288134,016円29.5%

2回福島(夏)の3連単平均配当は約17万円と最も高くなっています。3回福島(秋)は平均配当こそ低めですが、10万円超の割合は29.5%と約3.4回に1回の頻度です。

芝とダートで傾向が異なる

芝とダートに分けると、荒れやすさの中身が見えてきます。

開催芝(1番人気勝率)ダート(1番人気勝率)
1回(春)34.3%28.8%
2回(夏)26.5%30.5%
3回(秋)28.1%27.1%

芝で目立つのが、1回(春)の34.3%と2回(夏)の26.5%の落差です。春の開催ではまだ芝の状態がよく、比較的人気通りに決まりやすいものの、夏になると芝が傷んで荒れやすくなっているようです。

ダートは開催による変動が小さく、芝ほどの傾向はありません。

芝の開催進行と1番人気勝率

芝のレースに絞って、開催の前半(1〜3日目)と後半(4日目以降)で比較してみます。

開催前半後半
1回(春)39.8%28.6%
2回(夏)25.0%27.5%
3回(秋)27.9%28.4%

1回福島の前半は39.8%と、東京(39.0%)に匹敵する数字です。しかし後半になると28.6%まで約11ポイントも下落します。開催が進むにつれて芝が消耗し、馬場が変化していることがうかがえます。

2回福島は前半の時点で25.0%と、すでに低い水準からスタートしています。春の開催で使われた芝が夏の暑さで回復しきれていない可能性があります。

各年・各開催の個別データ

年によってばらつきもあります。

開催時期1番人気勝率平均オッズ
20211回7月33.3%10.5倍
20212回11月21.1%11.3倍
20221回4月26.4%10.6倍
20222回7月28.4%9.9倍
20223回11月26.8%8.8倍
20231回4月32.4%10.0倍
20232回7月33.7%11.6倍
20233回11月25.4%8.3倍
20241回4月33.3%12.5倍
20242回6月28.1%13.0倍
20243回11月36.6%9.4倍
20251回4月34.7%14.8倍
20252回6月27.1%9.4倍
20253回11月22.2%15.4倍

2021年の2回福島(11月)は1番人気勝率21.1%、2025年の3回福島(11月)は22.2%と、極端に荒れた開催もあります。一方で2024年の3回福島は36.6%と比較的堅く、年によるばらつきも大きいことがわかります。

クラス別の比較

福島の荒れやすさは特定のクラスに限った話ではなく、全クラスに共通しています。

クラス福島福島以外
新馬・未勝利31.9%35.1%-3.2
1勝クラス26.9%34.0%-7.1
2〜3勝クラス28.9%34.0%-5.1
オープン以上23.7%27.2%-3.5

どのクラスでも福島は全場平均を下回っています。特に1勝クラスで7.1ポイントの差が出ているのが目立ちます。出走馬の実力が拮抗しやすいクラスでは、コースの影響がより強く出るのかもしれません。

まとめ

福島が荒れやすい理由をひとつに特定するのは難しく、複数の要因が重なっていると考えるのが自然です。

  • コース形態: 直線292.0mと短く、小回りコースのため先行馬の粘りや展開の紛れが起きやすい。ダートでも荒れやすいことから、芝の状態だけでは説明できない
  • 芝の消耗: 1回福島の前半は39.8%と東京並みだが、後半には28.6%まで低下する。芝の傷みが進むにつれて予想が難しくなる傾向はある
  • 頭数の多さ: 福島の平均出走頭数は14.1頭で全10場中3位。頭数が多いほど紛れが生じやすい
  • 全クラス共通: 新馬からオープンまで一貫して荒れやすく、特定のクラスに限った話ではない
  • 開催時期と位置づけの違い: 春の福島は東京・中山の裏開催だが、夏は中央場所が休みに入るため、福島がローカル開催の中心となる。出走馬の層や競争の構図が変わることも影響している可能性がある

芝の消耗だけで荒れやすさを説明するのは難しく、コースの構造的な特徴、頭数の多さ、開催の位置づけなど、さまざまな要素が絡み合った結果と見るのがよさそうです。

また、72〜96レースの各開催を個別に見ると年ごとのばらつきも大きく、「福島だから荒れる」と単純化できるものでもありません。

正直なところ、福島が荒れやすいことはデータで確認できたものの、「なぜ荒れるのか」についてはすっきりとした結論には至りませんでした。要因が複合的で、どれがどの程度効いているのかを分離するのは難しいというのが率直な感想です。

本記事の集計は、原則として 2021〜2025 年の JRA レースの公開データに基づいています。集計条件や計算式は記事中に明記していますが、データの集計や解釈に誤りがある可能性もありますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。

本記事は馬券の購入を推奨・助言するものではありません。詳しくは About および プライバシーポリシー をご覧ください。

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