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枠順の有利不利 — 芝は内枠、ダートは外枠

競馬では枠順(ゲートの位置)が抽選で決まります。内側のゲートに入るか外側に入るかで、コーナーでの距離ロスや位置取りのしやすさが変わるため、枠順は結果に影響すると言われています。たとえば有馬記念で大外枠が不利というのは有名な話です。

実際にどれくらいの差があるのか、枠番ごとの勝率で見てみます。対象は2021〜2025年のJRA全レースです。

芝は内枠がやや有利

まず芝コースの枠番別勝率です。勝率は「その枠に入った馬のうち何%が勝ったか」を表しています。

出走数勝率複勝率
111,7137.80%23.3%
212,2317.63%23.1%
313,0027.57%22.9%
413,6517.75%23.1%
514,3797.67%22.6%
614,9717.54%22.5%
716,7247.40%22.3%
817,3177.13%21.5%

芝 枠番別勝率

1枠(7.80%)と8枠(7.13%)で0.67ポイントの差があります。複勝率も内枠ほど高い傾向で、1枠23.3%に対し8枠21.5%です。

大きな差ではありませんが、内枠のほうがコーナーの距離ロスが少なく、好位置を取りやすいことが影響しているのかもしれません。

なお、外枠ほど出走数が多いのは、多頭数のレースでは外枠に多くの馬が割り振られるためです。勝率の合計が100%にならないのもこのためで、枠ごとに出走数(分母)が異なります。

ダートは外枠が有利

次にダートコースです。

出走数勝率複勝率
111,9646.48%19.2%
213,2406.23%19.7%
314,1746.37%20.1%
414,7996.97%20.6%
515,4777.11%21.4%
615,9317.78%23.0%
716,2397.25%21.9%
816,4108.12%23.1%

ダート 枠番別勝率

芝とは逆に、外枠ほど勝率が高くなっています。8枠(8.12%)と1枠(6.48%)で1.64ポイントの差があり、芝よりも差が大きく出ています。

外枠有利の要因としては、スタート地点が芝コース上にあるコース(芝スタート)では外枠のほうが芝の上を長く走れること、また内枠は前の馬が蹴り上げた砂を被りやすいこと(キックバック)などが挙げられます。

芝とダートを1つのグラフに重ねると、傾向の違いがはっきりします。

枠番別 勝率(芝・ダート)

芝は右下がり、ダートは右上がりで、6枠あたりで交差しています。

芝は競馬場によって傾向が大きく異なる

芝の枠番バイアスは、全体では小さな差でしたが、競馬場ごとに見ると傾向がかなり異なります。ここからは差をより明確にするため、内枠(1〜2枠)と外枠(7〜8枠)の勝率を比較します。

競馬場内枠外枠
福島8.62%5.77%+2.85
中京8.78%6.27%+2.51
中山8.18%6.23%+1.95
函館8.31%6.77%+1.53
阪神8.29%7.32%+0.97
札幌8.20%8.19%+0.01
東京7.33%7.76%-0.43
小倉7.20%7.80%-0.59
京都6.94%8.39%-1.45
新潟5.85%8.05%-2.19

福島(+2.85)と新潟(-2.19)が両極端です。福島は内枠の勝率が外枠の約1.5倍で、小回りのコースでは内側を回ってロスなく先行できる内枠の優位性が大きくなると思われます。

新潟が大きく外枠有利になっているのは、直線のみで行われる芝1000mの影響が大きいと考えられます。直線コースにはコーナーがないため、枠番はスタート位置の左右の違いを意味します。参考までに新潟芝直線1000mの枠番別勝率を載せます。

出走数勝利数勝率
120831.44%
221394.23%
321473.27%
421573.26%
522162.71%
6223208.97%
7274269.49%
82833512.37%

1枠(1.44%)と8枠(12.37%)で約9倍の差があります。直線コースでは内ラチ沿い(1枠側)の芝が傷みやすく、外側のほうがコンディションがよいことが影響していると思われます。

ダートも競馬場による差が大きい

ダートも同様に競馬場ごとの内枠(1〜2枠)・外枠(7〜8枠)の勝率を比較します。

競馬場内枠外枠
札幌6.51%9.31%+2.80
函館6.90%9.08%+2.17
京都6.21%8.38%+2.17
中山5.86%7.98%+2.12
阪神6.29%8.06%+1.77
新潟5.86%7.31%+1.46
東京6.04%7.24%+1.20
小倉6.93%6.56%-0.36
福島7.23%7.17%-0.06
中京7.15%7.08%-0.07

多くの競馬場で外枠が有利ですが、小倉・福島・中京ではほぼ均等です。札幌(+2.80)や中山(+2.12)では外枠の優位が顕著に出ているようです。

開催が進むと内枠有利は薄れる

開催が進むとタイムはどう変わるかで、芝は開催の後半にタイムが遅くなることを確認しました。これと関連して、枠番の有利不利も開催中に変化しています。

勝ち馬の枠番を内枠(1〜2枠)と外枠(7〜8枠)に分け、開催の前半(1〜3日目)と後半(4日目以降)で比較します。均等であればどちらも約25%です。

競馬場前半(内/外)後半(内/外)
福島30.8% / 16.2%22.1% / 26.3%
札幌25.1% / 26.1%16.2% / 32.1%
京都22.0% / 29.5%16.3% / 34.5%
函館24.6% / 19.0%20.7% / 26.7%
中山25.9% / 24.1%23.8% / 25.3%
東京22.2% / 30.8%18.8% / 31.1%

多くの競馬場で、後半になるほど内枠の勝利割合が低下し、外枠が増えています。

福島が最も顕著で、前半は内枠30.8%・外枠16.2%と圧倒的に内枠有利ですが、後半は内枠22.1%・外枠26.3%と逆転しています。開催が進むと内側の芝が傷んでコンディションが悪化するため、内枠の優位性が薄れていくのではないかと考えられます。移動柵によって走行ラインが外側に移れば芝の傷みは軽減されますが、その分コーナーが大回りになるため、やはり内枠の有利は薄れるようです。

一方、中山は前半も後半もほぼ均等で、開催中のバイアスの変化が小さい競馬場です。

参考までにダートも同じ比較をしてみます。

競馬場前半(内/外)後半(内/外)
福島22.3% / 28.4%21.7% / 28.3%
札幌11.4% / 40.9%14.1% / 32.3%
中山18.7% / 32.1%20.9% / 31.0%
函館12.2% / 34.4%14.1% / 34.6%
東京19.1% / 32.7%21.9% / 26.4%
阪神17.1% / 31.3%18.9% / 30.8%

ダートは前半も後半も一貫して外枠有利で、開催の進行による変化はほとんどありません。ダートは芝と違って路面が傷みにくいため、開催を通じて枠順の傾向が安定していると考えられます。

まとめ

「芝は内枠有利、ダートは外枠有利」という通説は、全体の傾向としてはデータからも裏付けられるようです。ただし、競馬場×距離の組み合わせごとに個別の事情があり、一概には言えません。細かく条件を絞るとサンプル数が不足するため、ここで示した数字はあくまで大まかな傾向として見てください。

本記事の集計は、原則として 2021〜2025 年の JRA レースの公開データに基づいています。集計条件や計算式は記事中に明記していますが、データの集計や解釈に誤りがある可能性もありますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。

本記事は馬券の購入を推奨・助言するものではありません。詳しくは About および プライバシーポリシー をご覧ください。

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