競馬では騎手の乗り替わりが頻繁に起こります。2023〜2025年のJRA平地レースで連続する2走を見ると、約63%で騎手が替わっていました。
乗り替わり自体の影響はよく語られますが、ここでは少し視点を変えて、前走の騎手のランクによって、今走の成績がどう違うかを調べてみました。たとえば同じ騎手が同じ馬に乗るとして、前走がルメール騎手だった馬と新人騎手だった馬では成績に差があるのか、という問いです。
集計条件
- 対象期間: 2023〜2025年のJRA平地レース(障害レースを除く)
- 同一馬の連続する2走をペアとし、今走の成績を集計
- 騎手のランクは期間中の勝率(100騎乗以上)で3段階に分類:
- 勝率20%以上: C.ルメール、川田将雅、J.モレイラ、D.レーンなど6名
- 勝率10〜20%: 戸崎圭太、坂井瑠星、横山武史、松山弘平、武豊など22名
- 勝率10%未満
- 前走の騎手と今走の騎手がそれぞれどのランクに属するかで分類
- 前走と今走が同じ騎手の場合は「継続」として別枠で集計
全体の傾向
前走の騎手ランク別に、同じ騎手が継続した場合と乗り替わった場合の勝率を比較します。

| 前走の騎手 | 区分 | ペア数 | 勝率 | 複勝率 | 平均着順 |
|---|---|---|---|---|---|
| 勝率20%以上 | 継続 | 1,145 | 29.3% | 60.3% | 3.99 |
| 勝率20%以上 | 乗り替わり | 2,589 | 14.1% | 37.0% | 5.99 |
| 勝率10〜20% | 継続 | 6,326 | 15.6% | 38.4% | 5.65 |
| 勝率10〜20% | 乗り替わり | 13,250 | 10.2% | 28.5% | 6.83 |
| 勝率10%未満 | 継続 | 34,966 | 7.0% | 22.5% | 7.33 |
| 勝率10%未満 | 乗り替わり | 57,582 | 5.3% | 17.4% | 8.29 |
どのランクでも継続のほうが乗り替わりより成績が良く、特に勝率20%以上では29.3% vs 14.1%と大きな差があります。前走の騎手ランクが上がるほど継続・乗り替わりともに成績が高く、馬の質を反映していることがうかがえます。
今走の騎手ランク別に見る
今走の騎手のランクごとに分けて、継続と同ランクからの乗り替わりを比較してみます。
勝率20%以上の騎手

| 前走の騎手 | ペア数 | 勝率 | 複勝率 | 平均着順 |
|---|---|---|---|---|
| 継続 | 1,145 | 29.3% | 60.3% | 3.99 |
| 前走20%以上 | 269 | 24.2% | 53.2% | 4.49 |
| 前走10〜20% | 834 | 28.2% | 59.5% | 4.05 |
| 前走10%未満 | 1,298 | 22.7% | 53.1% | 4.53 |
同ランク(前走20%以上)からの乗り替わりは24.2%で、継続の29.3%を約5ポイント下回っています。同じレベルの騎手に替わっても、継続のほうが成績が良い傾向があります。
一方、前走10〜20%からの乗り替わり(28.2%)が前走20%以上(24.2%)を上回っているのが目を引きます。前走20%以上の馬は前走の平均着順が3.1着と好走しており、昇級して今走の相手が強くなっていることが影響しているのかもしれません。
前走1着に限定して昇級の影響を除いてみると、さらに意外な結果になりました。

| 前走の騎手 | ペア数 | 勝率 | 複勝率 | 平均着順 |
|---|---|---|---|---|
| 継続 | 368 | 28.0% | 60.3% | 4.12 |
| 前走20%以上 | 80 | 23.8% | 50.0% | 4.83 |
| 前走10〜20% | 135 | 33.3% | 58.5% | 3.85 |
| 前走10%未満 | 135 | 28.1% | 57.8% | 4.04 |
前走10〜20%からの乗り替わり(33.3%)が最も高く、継続(28.0%)をも上回っています。前走10%未満からの乗り替わり(28.1%)も継続とほぼ同水準です。前走で勝った馬が高勝率の騎手に替わると、前走の騎手のランクにかかわらず好走する傾向があるようです。逆に同ランク間の乗り替わり(23.8%)だけが低く出ているのは、スケジュール都合などによる消極的な乗り替わりが多いためかもしれません。サンプルは80〜368件とやや少なめですが、興味深い結果です。
勝率10〜20%の騎手

| 前走の騎手 | ペア数 | 勝率 | 複勝率 | 平均着順 |
|---|---|---|---|---|
| 継続 | 6,326 | 15.6% | 38.4% | 5.65 |
| 前走20%以上 | 957 | 17.3% | 42.0% | 5.58 |
| 前走10〜20% | 3,284 | 13.2% | 33.8% | 6.23 |
| 前走10%未満 | 7,687 | 10.6% | 30.3% | 6.53 |
ここでも継続(15.6%)が同ランクからの乗り替わり(13.2%)を上回っています。前走が20%以上だった馬は17.3%と継続を超えていますが、これは馬の質が高いことの表れだと思われます。
勝率10%未満の騎手

| 前走の騎手 | ペア数 | 勝率 | 複勝率 | 平均着順 |
|---|---|---|---|---|
| 継続 | 34,966 | 7.0% | 22.5% | 7.33 |
| 前走20%以上 | 1,363 | 9.8% | 30.3% | 6.57 |
| 前走10〜20% | 9,132 | 7.5% | 23.7% | 7.30 |
| 前走10%未満 | 48,597 | 4.0% | 14.4% | 8.67 |
勝率10%未満でも同様で、継続(7.0%)に対して同ランクからの乗り替わりは4.0%と大きな差があります。
どのランクでも、同ランクの騎手に乗り替わるより継続のほうが成績が良いという結果です。騎手の実力差がなくても、同じ馬に乗り続けることにはプラスの効果があると考えられます。
まとめ
どのランクの騎手でも、同ランクの騎手に乗り替わるより継続のほうが成績が良いという結果でした。同じ馬に乗り続けること自体にプラスの効果がありそうです。
一方で、前走1着の馬が高勝率の騎手に乗り替わるケースでは、継続を上回る成績が出ていました。特に前走が勝率10〜20%の騎手だった場合は勝率33.3%と高く、乗り替わりがむしろプラスに働く場面もあるようです。
本記事の集計は、原則として 2021〜2025 年の JRA レースの公開データに基づいています。集計条件や計算式は記事中に明記していますが、データの集計や解釈に誤りがある可能性もありますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。
本記事は馬券の購入を推奨・助言するものではありません。詳しくは About および プライバシーポリシー をご覧ください。
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