内枠・外枠の差はどこで生まれるのかを調べている途中で、別のことに気づきました。ダートの枠番の有利不利が、土曜と日曜で違うようなのです。
集計の条件
- 2021〜2025年のJRA平地レース、12〜18頭立て
- 欠番のあるレースは除外(出走頭数と最大馬番が一致するものだけを使用)
- 土曜と日曜の2日間だけの開催に限定しました。祝日をはさんで3日続く開催や、金曜から始まる開催は除いています。日数が混ざると比較がぼやけるためです
- 誤差の範囲を統計的に求めて「±」で添えています。差がこの2倍を超えていれば、偶然では説明しにくいと考えてください
主に複勝率を使います。勝率でも同じ向きの結果が出ましたが、1着は1レースに1頭しかいないためぶれが大きく、判別できませんでした。
グラフの縦軸は期待値からのずれです。複勝率の期待値は3÷出走頭数で、頭数の少ないレースが混ざると上がります。また出走頭数が増えると外側の枠から2頭ずつ入るため、枠によっても0.5ポイントほど上下します。そのままの率を並べると外枠が有利に見えてしまうので、差し引いた値を使います。
ダートを土曜と日曜で分ける

土曜(青)は上下しますが、内から外へ向かう傾きは出ていません。日曜(赤)は右肩上がりになり、1枠だけが−3.16と大きく落ちています。
内1-2枠と外7-8枠にまとめると、こうなります。
| 土曜 | 日曜 | 差 | |
|---|---|---|---|
| レース数 | 3,064 | 2,966 | |
| 内1-2枠 | −0.29 ± 0.40 | −1.93 ± 0.40 | −1.64 ± 0.57 |
| 外7-8枠 | +0.38 ± 0.33 | +1.48 ± 0.34 | +1.10 ± 0.47 |
| 外7-8枠 − 内1-2枠 | +0.66 ± 0.59 | +3.41 ± 0.60 | +2.75 ± 0.84 |
土曜はほぼゼロで、日曜だけ外枠有利が出ました。内枠が下がって外枠が上がっていますが、下がり方のほうが大きい形です。
芝でも分ける
同じことを芝でやってみます。

芝は形が逆です。土曜(青)が内枠寄りで、日曜(赤)に平坦になります。 8枠は−1.71から−0.04へ動きました。
| 土曜 | 日曜 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 外7-8枠 − 内1-2枠 | −1.74 ± 0.69 | −0.51 ± 0.65 | +1.23 ± 0.95 |
向きはダートと同じ(外枠寄りに動く)ですが、+1.23 ± 0.95で誤差の2倍に届きません。 傾向としては見えるものの、誤差の範囲というのが正確なところです。
ダートの+2.75 ± 0.84と比べても、大きさが半分です。
同じ日の中で分ける
1日は12レースあります。日の中で少しずつ進んでいくのかを、1〜6Rと7〜12Rに分けて見ました。ダートの外7-8枠と内1-2枠の差です。
| 1〜6R | 7〜12R | 差 | |
|---|---|---|---|
| 土曜 | +1.04 ± 0.79 | +0.20 ± 0.90 | −0.84 ± 1.20 |
| 日曜 | +3.01 ± 0.82 | +3.88 ± 0.89 | +0.87 ± 1.21 |
土曜も日曜も、日の中では動いていません。どちらも差が誤差の範囲に収まっています。
そして日曜は、午前の時点ですでに+3.01あります。レースを重ねるごとに進むのではなく、土曜が終わってから日曜が始まるまでの間に差が付いているように見えます。
開催の週ごとに分ける
ここまでの集計では、区別がつかないことが1つあります。日曜に悪くなって次の土曜に戻っているのか、それとも開催が進むほど悪くなっていて最後の日曜が一番悪いだけなのか、どちらでも同じ結果になります。
JRAの開催は同じ競馬場で数週続きます。開催の何週目かで分けました。
| 週 | 土曜 | 日曜 | 日曜 − 土曜 |
|---|---|---|---|
| 1週目 | −0.50 ± 1.22 | +3.55 ± 1.23 | +4.05 ± 1.73 |
| 2週目 | +1.71 ± 1.26 | +1.65 ± 1.32 | −0.06 ± 1.82 |
| 3週目 | +1.64 ± 1.21 | +3.60 ± 1.23 | +1.96 ± 1.73 |
| 4週目 | −0.08 ± 1.42 | +4.25 ± 1.38 | +4.33 ± 1.98 |
5週目以降はレース数が少ないので省いています。
土曜は4週を通してほぼ横ばいです。 4週目の土曜が−0.08で、1週目の土曜の−0.50とほとんど変わりません。開催が進むほど悪くなる形にはなっていませんでした。
日曜は4週すべてでプラスです。 1週目からすでに+3.55あるので、開催の最後の日曜だけが悪いわけでもありません。
1週ごとに元へ戻っているように見えます。ただし週ごとの誤差の範囲は1.7〜2.0ポイントあり、2週目の−0.06のように打ち消される週もあります。
年度ごとに分ける
5年を1年ずつに分けました。外7-8枠と内1-2枠の差です。
| 年 | レース数 | 土曜 | 日曜 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 2021 | 1,254 | +0.08 | +2.30 | +2.23 ± 1.86 |
| 2022 | 1,187 | +0.46 | +4.29 | +3.83 ± 1.90 |
| 2023 | 1,197 | +0.31 | +4.79 | +4.48 ± 1.91 |
| 2024 | 1,163 | +2.17 | +3.10 | +0.93 ± 1.96 |
| 2025 | 1,229 | +0.34 | +2.64 | +2.30 ± 1.85 |
5年すべてでプラスでした。日曜の値も5年すべてでプラス(+2.30〜+4.79)、土曜は2024年を除いてほぼゼロです。
1年あたり1,200レースほどなので誤差の範囲は1.85〜1.96ポイントになり、誤差の2倍を超えたのは2022年と2023年の2年です。ただし5年を通して向きが揃っているので、特定の年に偏った現象ではないようです。
何が起こっているのか
分かったのは3つです。
- ダートの外枠有利は、土曜より日曜のほうが大きい。外7-8枠と内1-2枠の差は土曜+0.66 ± 0.59、日曜+3.41 ± 0.60。落ちているのは内枠で、特に1枠が3.42ポイント下がる。芝では起きていない(土日差+1.23 ± 0.95)
- 土曜も日曜も、日の中では動かない。1〜6Rと7〜12Rで差はなく、日曜は午前の時点ですでに+3.01ある
- 土曜から日曜に変わるところで動き、翌週の土曜には戻っている。開催の1週目から4週目まで、土曜はほぼ横ばいのまま
単純に走った分だけ路面が傷んでいくのなら、1日の中でも少しずつ進むはずです。ところが土曜も日曜も日の中では動きません。動いているのは土曜が終わってから日曜が始まるまでの間だけで、この一晩に何かが起きているようです。
翌週の土曜に戻るのは、おそらく週の途中に整備が入っているからだと思われますが、ダートの整備について、週ごとに何をしているのかを示す情報は見つけられませんでした。
なんとも不思議なデータが得られました。次回は、この差が何から来ているのかをさらに掘り下げてみようと思います。
本記事の集計は、原則として 2021〜2025 年の JRA レースの公開データに基づいています。集計条件や計算式は記事中に明記していますが、データの集計や解釈に誤りがある可能性もありますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。
本記事は馬券の購入を推奨・助言するものではありません。詳しくは About および プライバシーポリシー をご覧ください。
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