枠順の有利不利では、芝は内枠・ダートは外枠がやや有利という結果になりました。競馬場×距離で掘り下げた記事も、ダートと芝で書いています。
今回は馬場状態で切ります。雨で馬場が湿ったとき、枠順の有利不利は変わるのでしょうか。
集計の条件
- 2021〜2025年のJRA平地レース(障害競走を除く)
- 馬場状態は良/稍重/重・不良の3区分。重と不良はレース数が少ないため合算しています
- 内枠は1〜2枠、外枠は7〜8枠
- 勝率は「その枠に入った馬のうち1着になった割合」、複勝率は「3着以内に入った割合」
- 誤差の範囲を統計的に求めて「±」で添えています。差がこの2倍を超えていれば、偶然では説明しにくいと考えてください
| 良 | 稍重 | 重・不良 | |
|---|---|---|---|
| ダート | 5,389R / 76,046頭 | 1,579R / 22,275頭 | 1,409R / 19,913頭 |
| 芝 | 6,459R / 86,410頭 | 1,221R / 16,343頭 | 582R / 7,912頭 |
複勝率は枠ごとの出走数が同じでも的中数が3倍あるため、勝率より誤差が小さくなります。後半で差を数値で比べるところは複勝率で通します。
なお、平均出走頭数は馬場状態でほぼ同じでした(ダート14.11/14.11/14.13、芝13.38/13.38/13.59)。頭数の違いによる影響は考えなくてよさそうです。
ダート

良と稍重はほぼ重なっており、どちらも外枠に向かって上がっていきます。複勝率は良が1枠19.3%→8枠23.3%、稍重が1枠18.1%→8枠23.4%です。
重・不良になると、この傾きが弱まります。 1枠20.1%→8枠22.2%で、良に比べると内枠が上がり外枠が下がる形です。7枠20.2%が周りより低いのは目立ちますが、2,730頭での値なので振れ幅の範囲だと思います。
単勝率(破線)も同じ向きです。良・稍重は1枠6.6%・5.8%から8枠8.2%・8.5%まで上がりますが、重・不良は1枠6.8%→8枠7.4%とほぼ平らです。
芝

良は緩やかな右肩下がりで、複勝率は1枠23.3%→8枠21.0%。内枠がやや有利という既知の傾向どおりです。
稍重では向きが逆になります。 1枠21.1%→8枠23.6%で、外枠のほうが高くなっています。単勝率も1枠6.5%→8枠7.8%と同じ向きです。
重・不良は1枠の複勝率25.0%・単勝率9.0%が跳ねていますが、811頭しかないため単独では読めない値です。全体としては良に近い形で、稍重の傾向が続いているようには見えません。
内枠と外枠の差でまとめる
外枠(7〜8枠)から内枠(1〜2枠)の複勝率を引いた値です。プラスなら外枠有利、マイナスなら内枠有利を表します。

| 馬場 | ダート | 芝 |
|---|---|---|
| 良 | +3.38 ± 0.42 | −1.65 ± 0.40 |
| 稍重 | +3.73 ± 0.78 | +1.61 ± 0.93 |
| 重・不良 | +0.83 ± 0.83 | −2.19 ± 1.34 |
ダートは良から稍重までほぼ変わらず、重・不良で +3.4 → +0.8 と外枠有利が縮みます。芝は稍重で −1.7 → +1.6 と符号が入れ替わり、重・不良では −2.2 と良の水準に戻っています。
芝とダートで、馬場状態による変化の出方が違うという結果です。芝は稍重の段階で変わり、ダートは重・不良になってから変わっています。
競馬場の構成による差ではないか
馬場状態の内訳は競馬場ごとに揃っていません。ダートで不良だったレースの割合は小倉8.9%・中京7.9%が高く、この2場は競馬場×距離の掘り下げで内枠寄りだった競馬場です。上の差が競馬場の構成を反映しているだけという可能性があります。
そこで競馬場ごとに「外枠 − 内枠」を出し、良馬場との差を取りました。引き算によって、その競馬場がもともと内枠寄りか外枠寄りかは消えます。
| 競馬場 | ダート(重・不良 − 良) | 芝(稍重 − 良) |
|---|---|---|
| 札幌 | −1.42 | +3.74 |
| 函館 | −2.14 | +5.29 |
| 福島 | −8.60 | +3.12 |
| 新潟 | −3.01 | +3.86 |
| 東京 | −1.47 | −4.29 |
| 中山 | +1.17 | +4.98 |
| 中京 | −2.07 | +1.76 |
| 京都 | −0.27 | +3.65 |
| 阪神 | −5.83 | −0.79 |
| 小倉 | −2.96 | +7.84 |
ダートはほとんどの競馬場でマイナス、芝はほとんどでプラスです。特定の競馬場が全体を動かしているわけではないので、競馬場の構成では説明できないと思います。
芝についてはもう1つ確認しました。稍重のレースは開催後半に寄っています(57%が後半、良は49%)。開催が進むと外枠寄りになる競馬場の影響を拾っている可能性があるため、開催前半・後半に分けて見ると、稍重の外枠シフトは前半 +2.53・後半 +3.60 と両方に出ていました。
一方、芝の重・不良は競馬場ごとの向きが揃わず、582レースでは判定できませんでした。
まとめ
- ダート: 良と稍重は同じ。重・不良になると外枠有利が縮む(+3.4 → +0.8)
- 芝: 稍重で内枠有利が消え、外枠寄りに振れる(−1.7 → +1.6)
- 芝の重・不良はレース数が少なく、稍重の傾向が続くかは判定できない
良馬場ではダートが外枠有利、芝が内枠有利です。馬場が湿ると、ダートは外枠有利が縮み、芝は内枠有利が逆転します。どちらも良馬場での向きが崩れる方向ですが、それが現れる馬場状態は違いました。
本記事の集計は、原則として 2021〜2025 年の JRA レースの公開データに基づいています。集計条件や計算式は記事中に明記していますが、データの集計や解釈に誤りがある可能性もありますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。
本記事は馬券の購入を推奨・助言するものではありません。詳しくは About および プライバシーポリシー をご覧ください。
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