土曜と日曜、1日違うだけで枠の有利不利が違うで、日曜のダートは土曜より内側が走りづらいのではないか、というところまで来ました。続編では、それが着順だけでなく上り3Fのタイムにも出ていることを確かめています。
結論としては正しいと思われますが、一晩のうちに内側だけが走りづらくなるというのは、やはり不思議な話です。念のため、別の角度からも確かめます。
ここまで見てきたのは枠番でした。枠番と実際に走ったラインは別のものなので、走ったライン側からも見てみます。
内側が走りづらいのが本当なら、こうなります。
- 単独で先頭に立った馬の成績は、枠に関係なく下がる。先頭に立った馬は、内枠から出ても外枠から出ても基本的に最内を通るため
- 並んで走っているときは、外側がさらに有利になる。同じレースで並んだ2頭なら、違うのは走ったラインだけのため
内枠・外枠の差はどこで生まれるのかでは、コーナー通過順位の表記から実際の横位置を取り出しました。同じやり方で土日を分けて、この2つを確かめます。
集計の条件
前回までと同じです。2021〜2025年のJRA平地レース、12〜18頭立て、土曜と日曜の2日間だけの開催に限定しています。
最終コーナーで先頭にいた馬を、そのときの横位置で3つに分けます。
| 区分 | 意味 |
|---|---|
| 単独 | 1馬身以内に並んだ馬がいない。1頭だけで先頭 |
| 最内 | 先頭で並んでいた馬のうち、いちばん内側 |
| 最外 | 先頭で並んでいた馬のうち、いちばん外側 |
先頭に立った馬は、内枠から出ても外枠から出ても、基本的にコーナーでは最内を通ります。「単独」は枠に関係なく最内を走っていた馬ということになります。ここが今回の手がかりです。
単独で先頭に立った馬
まず単独先頭です。ダートで2,725頭、レース全体の45%ほどで、先頭馬が単独になっています。
| 土曜 | 日曜 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 1着率 | 37.65% | 31.79% | −5.86 ± 1.82 |
| 複勝率 | 65.15% | 60.88% | −4.27 ± 1.85 |
| 上り3F | −0.27 | −0.08 | +0.18 ± 0.05 |
日曜は成績もタイムも落ちています。 単独先頭は最内を走るので、内側が走りづらくなっているという前回までの話と一致します。
ここからが本題です。この馬たちを枠で分けます。

| 単独先頭の枠 | 土曜 | 日曜 | 差 |
|---|---|---|---|
| 内1-3枠 | 37.23% | 30.58% | −6.65 ± 2.80 |
| 中4-5枠 | 36.98% | 34.32% | −2.65 ± 3.86 |
| 外6-8枠 | 38.55% | 31.52% | −7.03 ± 3.05 |
外枠から単独先頭になった馬も、内枠と同じだけ落ちています。 中4-5枠が小さく出ていますが、誤差の範囲で判別できません。
これは枠の話ではないということだと思われます。外枠の馬でも、先頭に立って最内を走れば同じだけ損をしています。日曜のダートで不利を受けているのは内枠の馬ではなく、内側を走った馬のようです。
芝では単独先頭の1着率は22.61%から21.37%(−1.24 ± 1.61)で、動いていません。
先頭で並んでいた馬
次に、先頭に2頭以上が並んでいた場合です。1,635組ありました。
ここからは複勝率で見ます。1着率だと最内が−1.41 ± 1.15、最外が−2.19 ± 1.59で、どちらも誤差に埋もれて判別できませんでした。1着は1レースに1頭しかいないため、1,635組では足りません。複勝率なら3頭ぶんあるので、同じサンプルでも差を捉えられます。

| 土曜 | 日曜 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 最内の複勝率 | 38.84% | 32.47% | −6.36 ± 1.66 |
| 最外の複勝率 | 61.53% | 59.80% | −1.73 ± 1.70 |
| 最外 − 最内 | +22.69 | +27.32 | +4.63 ± 2.38 |
落ちているのは内側の馬だけです。 外側の馬はほとんど変わりません。同じレースで並んで走っている2頭なので、馬場の状態も展開も同じです。違うのは走ったラインだけになります。
上り3Fでも同じ形でした。最内が+0.23 ± 0.05に対し、最外は+0.09 ± 0.04です。
芝は最内が+1.00 ± 1.96、最外が−1.14 ± 2.14で、どちらも動いていません。
前の取りやすさ
もう1つ見ておきます。内側が走りづらいなら、内枠の馬が前を取りにくくなっていてもおかしくありません。最初のコーナーで先頭だった率です。
| 土曜 | 日曜 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 内1-2枠 | 10.25% | 9.72% | −0.53 ± 0.43 |
| 外7-8枠 | 4.89% | 5.14% | +0.25 ± 0.28 |
内枠が下がって外枠が上がっており、向きとしてはそれらしく見えます。ただし内外の差にすると+0.78 ± 0.52で、誤差の2倍に届きません。傾向としては見えますが、誤差の範囲にとどまります。
一方、先頭に立った後ははっきりしていました。先頭の馬が後続を1馬身以上離していた率です。
| 土曜 | 日曜 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 先頭が単独だった率 | 58.98% | 56.27% | −2.70 ± 1.27 |
日曜は先頭馬が後続を離しきれず、並ばれる形が増えています。最内を走る馬が遅くなるなら、そうなるはずです。これが最初のコーナーの時点で出ているので、走りづらさが終盤に限った話ではないのだと思われます。
まとめ
2つの予想はどちらも当たりました。
- 単独先頭は枠に関係なく落ちる。1着率は37.65%から31.79%へ5.86ポイント下がり、外6-8枠から先頭に立った馬も−7.03ポイント
- 並んだときは内側だけが落ちる。最内の複勝率は−6.36 ± 1.66、外側は−1.73 ± 1.70
やはり 日曜のダートは土曜より内側が走りづらい という前回までの説が正しいと思われます。 内枠の馬は最内を走る機会が多いので、それが結果として枠番による差に見えているようです。
ただし、先頭で並んでいた2頭を比べると、土曜でも最内38.84%に対して最外61.53%と大きく開いており、そもそも 土曜の時点でも内側は走りづらいようです。
つまり、ダートはもともと内側が走りづらく、日曜はそれが強まるということのようです。
なぜダートの内側が走りづらいのか、そして土曜と日曜で何が変わっているのかは、結局分かりませんでした。何かご存じの方がいらっしゃいましたら、お問い合わせから教えていただけるとうれしいです。
本記事の集計は、原則として 2021〜2025 年の JRA レースの公開データに基づいています。集計条件や計算式は記事中に明記していますが、データの集計や解釈に誤りがある可能性もありますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。
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