ダートの12番だけ成績が良い?

馬番が奇数か偶数かで成績が違うで少しだけ触れた、12番の話です。

前回のグラフを再掲します。ダートの馬番別の複勝率を、期待値からのずれで並べたものです。

ダート 馬番別の複勝率 期待値からのずれ(前回の記事より再掲)

外に行くほど高くなる傾きと、偶数番が高いというギザギザ。この2つは前回に見たとおりです。そのうえで、12番が少し高いのが気になります。

ゲートの継ぎ目

思い当たるものが1つあり、ゲートの継ぎ目です。発馬機は1台の装置ではなく、複数の枠を連結して組み立てられています。連結部分には継ぎ目があり、そこだけ馬と馬の間隔が少し広くなります。

東京競馬場のダート、16頭立てです。

東京競馬場の発馬機 11番と12番の間に継ぎ目

出典: JRA全周パトロールビデオ(2026年1月31日 1回東京1日 1R)

11番と12番の間で装置が切れています。12番は継ぎ目のすぐ外側の馬です。

ただし、継ぎ目の位置はいつも同じではありません。阪神競馬場の芝、18頭立てです。

阪神競馬場の発馬機 12番と13番の間に継ぎ目

出典: JRA全周パトロールビデオ(2026年2月21日 1回阪神1日 5R)

こちらは12番と13番の間で切れています。

いくつか動画を見て確認したところ、継ぎ目の位置は出走頭数で決まっているようでした。

出走頭数継ぎ目の位置
12頭10番と11番の間
13〜17頭11番と12番の間
18頭12番と13番の間

芝とダートで違って見えたのは、フルゲートの頭数が違うからです。ダートは最大16頭なので18頭立てがなく、11番と12番の間が基本になります。芝は18頭立てがあり、そのときだけ1つ外にずれるようです。

例外もあります。競走除外が出ると、残りの馬は馬番をそのままにして1つ内側に詰めるようです。このとき馬番とゲートの位置がずれるので、継ぎ目の隣が何番になるかも変わります。

ただし、これは JRAが公表しているものではなく、映像から読み取ったものです。 見落としがあるかもしれませんし、条件によっては別の位置になる可能性もあるのでご注意ください。

馬はスタート直後から内側へ寄っていきます。継ぎ目の余裕を使えるのは、そのすぐ外側にいる馬ということになります。13〜17頭立てなら12番です。内側の11番は外へ向かって余裕があるだけなので、関係がなさそうです。

ダートの12番が良いのは、これで説明がつきそうに見えます。

集計の条件

  • 2021〜2025年のJRA平地レース。前回の記事と揃えています
  • 欠番のあるレースは除外(出走頭数と最大馬番が一致するものだけを使用)。競走除外があると残りの馬が1つ内側に詰めるため、馬番とゲートの位置がずれてしまいます
  • 継ぎ目が1つ内側にずれる12頭立ては除いています
  • 複勝率の期待値からのずれを使います。期待値は3÷出走頭数です
  • 誤差の範囲を統計的に求めて「±」で添えています。差がこの2倍を超えていれば、偶然では説明しにくいと考えてください

前回見たとおり、偶数番は奇数番より成績が良くなります。12番は偶数なので、その分だけ高く出て当然です。そこで馬番kを、2つ隣のk−2とk+2の平均と比べます。 偶数どうしの比較になるので偶奇の差が消え、内から外へのなだらかな傾きも相殺されます。

ダートで見る

継ぎ目の位置が揃うダートの13〜16頭立て、5,892レースです。

ダート13〜16頭立て 馬番別の複勝率 期待値からのずれ

12番が+2.26で、周りから抜けています。 11番は−0.01、13番は−0.40です。2つ隣との差にすると**+1.18 ± 0.69**でした。

一番外の16番も+2.80と高いのですが、こちらは大外の馬で、最後にゲートへ入るぶん待ち時間が短いという別の話が絡みます。

芝では出ない

継ぎ目が原因なら、芝でも同じことが起きるはずです。継ぎ目の位置に合わせて分けました。

まず13〜17頭立て、3,652レース。継ぎ目は11番と12番の間です。

芝13〜17頭立て 馬番別の複勝率 期待値からのずれ

12番は−0.12で、段差がありません。 2つ隣との差も−0.23 ± 0.87です。

次に18頭立て、1,020レース。継ぎ目は12番と13番の間になります。

芝18頭立て 馬番別の複勝率 期待値からのずれ

継ぎ目の外側にあたる13番は−1.18で、内側の12番(+1.27)より低くなっています。ダートとは向きが逆です。

3つを並べます。継ぎ目の外側の馬番を、2つ隣の平均と比べた値です。

レース数継ぎ目の外側
ダート 13〜16頭5,89212番+1.18 ± 0.69
芝 13〜17頭3,65212番−0.23 ± 0.87
芝 18頭1,02013番−1.96 ± 1.41

継ぎ目の位置が同じなのに、ダートにしか出ていません。

継ぎ目と関係のない場所にも

もう1つ、都合の悪い数字があります。同じ測り方で芝の6番を見ると、こうなります。

芝13〜17頭の6番+1.59 ± 0.83
ダート13〜16頭の12番+1.18 ± 0.69

継ぎ目と何の関係もない6番のほうが、大きく出ています。

馬番は最大18個あります。そこから目立つものを拾えば、いくつかは誤差の2倍前後に届きます。ダートの12番と芝の6番は、いまのところ同じ資格しかありません。

別の期間で確かめる

手元のデータは2018年からあります。今回の集計に使っていない2018〜2020年で、同じ計算をしました。

2021〜2025年2018〜2020年
ダート13〜16頭の12番+1.18 ± 0.69+1.26 ± 0.87
芝13〜17頭の6番+1.59 ± 0.83+1.81 ± 1.05
芝13〜17頭の12番−0.23 ± 0.87−0.18 ± 1.11

3つとも、別の期間でほぼ同じ値になりました。 ダートの12番が偶然の当たりだとは考えにくいところです。ただし芝の6番も同じように再現していて、こちらも偶然とは言いにくくなります。

まとめ

  • ダートの12番は周りより成績が良い。2つ隣との差は+1.18 ± 0.69。期間を変えても+1.26 ± 0.87で同じ
  • 12番はゲートの継ぎ目のすぐ外側にあたる
  • 芝では継ぎ目の位置に何も出ない。頭数に合わせて分けても−0.23と−1.96
  • 継ぎ目と関係のない芝の6番にも、同じくらいの当たりがある

継ぎ目という材料が先にあったので、それらしく見えているだけかもしれません。位置が一致しているのは事実ですが、芝で消えることと、無関係な馬番にも同じ大きさの当たりがあることの2つが説明できていません。

ダートの12番が本物かどうかは、まだ分かりません。分かったのは、そう見える数字がある、というところまでです。

本記事の集計は、原則として 2021〜2025 年の JRA レースの公開データに基づいています。集計条件や計算式は記事中に明記していますが、データの集計や解釈に誤りがある可能性もありますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。

本記事は馬券の購入を推奨・助言するものではありません。詳しくは About および プライバシーポリシー をご覧ください。

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