騎手で回収率は変わるかでは、騎手×人気帯別の回収率を比較しました。その中で気づいたのが、そもそも騎手によって人気順位の分布がまったく異なるということです。
直近3年(2023〜2025年)のデータで、騎手ごとの人気帯の分布を見てみます。
1番人気率ランキング
騎乗数1,000回以上の騎手を対象に、騎乗馬が1番人気に推される割合の上位15名です。
| 騎手 | 騎乗数 | 1番人気率 | 平均人気 |
|---|---|---|---|
| C.ルメール | 1,774 | 49.3% | 2.1 |
| 川田 将雅 | 1,480 | 47.8% | 2.1 |
| 戸崎 圭太 | 2,359 | 23.6% | 3.7 |
| 武 豊 | 1,613 | 20.3% | 3.9 |
| 坂井 瑠星 | 2,157 | 20.1% | 4.2 |
| 横山 武史 | 2,304 | 19.5% | 3.9 |
| 松山 弘平 | 2,558 | 15.7% | 4.5 |
| 岩田 望来 | 2,322 | 13.4% | 5.0 |
| 鮫島 克駿 | 2,494 | 11.3% | 5.8 |
| 藤岡 佑介 | 1,237 | 11.2% | 6.0 |
| 西村 淳也 | 2,078 | 10.4% | 5.6 |
| 丹内 祐次 | 2,761 | 9.9% | 6.3 |
| 佐々木 大輔 | 2,406 | 9.5% | 6.4 |
| 横山 和生 | 1,682 | 9.3% | 5.8 |
| 三浦 皇成 | 1,782 | 9.0% | 5.9 |
なお、短期免許で来日している外国人騎手は騎乗数1,000回に届かないため、この表には含まれていません。参考までに、モレイラ騎手(410回・42.9%)、レーン騎手(312回・39.4%)、デムーロ騎手(301回・28.9%)と、いずれも高い1番人気率を記録しています。
ルメール騎手と川田将雅騎手は、騎乗馬の約半数が1番人気です。平均人気も2.1と、平均的に2番人気前後の馬に乗っている計算になります。
一方、丹内祐次騎手や佐々木大輔騎手は1番人気率が約10%で、平均人気は6番台。同じ騎手でも、騎乗する馬の層がまるで異なることがわかります。
人気帯別の騎乗割合
人気帯ごとの騎乗割合を見てみます。
| 騎手 | 3番人気以内 | 4〜6番人気 | 7番人気以下 |
|---|---|---|---|
| C.ルメール | 84.2% | 12.7% | 3.1% |
| 川田 将雅 | 85.6% | 12.2% | 2.2% |
| 戸崎 圭太 | 57.6% | 27.2% | 15.2% |
| 武 豊 | 52.8% | 31.1% | 16.1% |
| 坂井 瑠星 | 51.1% | 27.9% | 21.0% |
| 横山 武史 | 53.6% | 29.5% | 16.8% |
| 松山 弘平 | 47.0% | 30.5% | 22.5% |
| 岩田 望来 | 39.9% | 30.7% | 29.5% |
| 鮫島 克駿 | 32.4% | 29.1% | 38.5% |
| 藤岡 佑介 | 32.0% | 28.3% | 39.7% |
| 西村 淳也 | 34.7% | 29.5% | 35.8% |
| 丹内 祐次 | 28.8% | 27.2% | 44.0% |
| 佐々木 大輔 | 29.1% | 25.6% | 45.4% |
| 横山 和生 | 30.8% | 31.8% | 37.4% |
| 三浦 皇成 | 31.3% | 29.9% | 38.8% |
ルメール騎手と川田将雅騎手は、3番人気以内が約85%を占めています。7番人気以下は2〜3%しかありません。
対照的に、丹内祐次騎手と佐々木大輔騎手は7番人気以下が約45%と最大のボリュームゾーンです。騎乗数は多いものの、その大半が人気薄の馬ということになります。
松山弘平騎手は全体的にバランスが取れていて、各人気帯にまんべんなく分布しているのが特徴的です。
オッズ帯別の騎乗割合
人気順位ではなく、実際のオッズで見るとさらに差が際立ちます。
| 騎手 | 〜4.9倍 | 5.0〜9.9倍 | 10.0倍以上 |
|---|---|---|---|
| C.ルメール | 74.1% | 17.3% | 8.6% |
| 川田 将雅 | 74.3% | 18.8% | 6.9% |
| 戸崎 圭太 | 42.8% | 26.5% | 30.7% |
| 武 豊 | 38.6% | 29.0% | 32.4% |
| 坂井 瑠星 | 38.2% | 25.3% | 36.5% |
| 横山 武史 | 38.5% | 29.0% | 32.6% |
| 松山 弘平 | 31.5% | 28.0% | 40.5% |
| 岩田 望来 | 27.0% | 25.3% | 47.7% |
| 鮫島 克駿 | 22.1% | 21.2% | 56.7% |
| 藤岡 佑介 | 21.1% | 22.0% | 56.9% |
| 西村 淳也 | 23.3% | 22.5% | 54.1% |
| 丹内 祐次 | 18.8% | 20.6% | 60.6% |
| 佐々木 大輔 | 18.3% | 20.7% | 61.0% |
| 横山 和生 | 19.4% | 23.5% | 57.0% |
| 三浦 皇成 | 19.1% | 23.1% | 57.8% |
ルメール騎手と川田将雅騎手は騎乗馬の約4分の3がオッズ5倍未満で、中央値は約3倍です。一方、丹内祐次騎手は6割以上が10倍以上で、中央値は14.5倍。同じ「騎手」という職業でも、日常的に乗る馬のオッズ帯がまるで違います。
まとめ
正直なところ、順位自体は勝率ランキングとあまり変わりません。ただ、勝率よりもルメール騎手と川田将雅騎手の突出ぶりが鮮明に見える結果になったと思います。
1番人気率で見ると、この2人が約50%で並び、3位の戸崎圭太騎手(23.6%)との間に倍近い差があります。勝率ランキングでは上位陣がそれなりに競っているように見えますが、1番人気率で見ると、この2人だけが別格であることがはっきりします。騎手の技量が高いから有力馬が集まり、さらに人気になるという循環があるのだと思います。
一方で、丹内祐次騎手のように年間1,000回を超える騎乗をこなしながら、その多くが人気薄の馬であるという結果には、競馬の厳しさがうかがえます。それでもコンスタントに勝利を積み重ねています。
本記事の集計は、原則として 2021〜2025 年の JRA レースの公開データに基づいています。集計条件や計算式は記事中に明記していますが、データの集計や解釈に誤りがある可能性もありますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。
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