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枠番とコーナー通過順位 — 内枠と外枠で位置取りはどう変わるか

コーナー通過順位と勝率では、前の位置にいるほど勝率が高いことを確認しました。では、枠順によって位置の取りやすさに違いはあるのでしょうか。

枠番ごとに最終コーナーの通過順位を集計し、芝とダートに分けて位置の分布と勝率を見てみます。区分は前回の記事と同様に、通過順位1位を「先頭」とし、残りを通過順に3等分して前から「前」「中」「後」としています。対象は2021〜2025年のJRA平地レースのうち、13頭以上のレースです。

芝は内枠ほど先頭に立ちやすい

先頭勝率
1枠8.8%35.8%30.9%24.5%6.63%
2枠7.7%36.2%29.5%26.6%6.67%
3枠7.3%36.4%30.2%26.0%6.89%
4枠6.6%35.5%31.3%26.6%6.61%
5枠6.1%35.1%30.5%28.2%6.77%
6枠5.2%34.9%31.4%28.5%6.14%
7枠5.0%36.7%29.7%28.7%6.03%
8枠5.3%36.6%29.4%28.7%5.67%

芝 枠番別 通過順位の分布

先頭に立つ割合は1枠の8.8%から7枠の5.0%まで下がります。スタートから最初のコーナーまでの距離が短い内枠のほうが先頭に立ちやすく、その位置関係が最終コーナーまで保たれやすいのだと思われます。

「後」は逆に外枠ほど増え、1枠24.5%に対して8枠は28.7%です。内枠はコーナーで内を回れるため距離ロスが少なく、前の位置を取りに行きやすいことが影響していると考えられます。

「前」は35〜36%台でほぼ横ばいで、枠による差がありません。

ダートは外枠ほど前に付けやすい

先頭勝率
1枠10.0%30.2%30.7%29.1%5.92%
2枠7.9%32.3%31.4%28.4%5.96%
3枠7.2%33.0%31.1%28.7%5.97%
4枠6.4%33.5%31.4%28.7%6.48%
5枠5.6%35.5%30.8%28.1%6.85%
6枠5.7%36.3%30.2%27.8%7.14%
7枠5.1%38.1%29.9%26.9%6.87%
8枠5.8%40.0%29.4%24.7%7.40%

ダート 枠番別 通過順位の分布

先頭に立つ割合が内枠ほど高いのは芝と同じです(1枠10.0%、7枠5.1%)。

大きく違うのは「前」で、1枠30.2%に対し8枠は40.0%と10ポイント近い差があります。芝が横ばいだったのに対し、ダートでは外枠ほど前に付けやすくなっています。その分「後」は外枠ほど減り、8枠の24.7%が最も低い値です。

「前」と「後」を並べると、2つの馬場で動きが逆になっていることがはっきりします。

区分芝(1枠→8枠)ダート(1枠→8枠)
35.8% → 36.6%(ほぼ変わらず)30.2% → 40.0%(+9.8)
24.5% → 28.7%(+4.2)29.1% → 24.7%(−4.4)

同じ位置でも枠による差は残る

ここまでは「どの位置を取りやすいか」の話でした。位置を取ったあとの勝ちやすさにも枠の影響が及ぶのかを見てみます。区分ごとに、内(1〜2枠)・中(3〜6枠)・外(7〜8枠)の3つに分けて勝率を出しました。

区分1〜2枠3〜6枠7〜8枠
先頭18.62%18.82%17.89%
9.80%10.52%8.82%
4.21%4.37%4.42%
1.23%1.22%1.37%

芝 通過順位区分ごとの勝率(枠帯別)

差があるのは「前」だけで、内枠9.80%に対し外枠8.82%と約1ポイント内枠が高くなっています。「先頭」「中」「後」はほぼ横並びです。好位につけたときに内ラチ沿いを走れるかどうかが効いているのかもしれません。

ダート

区分1〜2枠3〜6枠7〜8枠
先頭21.10%26.32%28.15%
9.44%11.04%11.64%
2.78%2.97%2.87%
0.86%0.88%0.78%

ダート 通過順位区分ごとの勝率(枠帯別)

「先頭」で7ポイント、「前」で2.2ポイントと、芝より大きな差が外枠有利で出ています。位置取りの段階で見えた外枠有利が、最終コーナーの時点でもそのまま残っている形です。

位置の取りやすさをそろえてみる

枠によって入りやすい区分が違うので、その違いだけで枠別の勝率差が説明できるのかを確かめました。どの枠も同じ割合で4区分に入ったと仮定して、勝率を計算し直します。

1枠8枠1枠と8枠の差
芝・素の勝率6.63%5.67%0.96
芝・位置をそろえた勝率6.23%5.83%0.40
ダート・素の勝率5.92%7.40%−1.47
ダート・位置をそろえた勝率5.65%7.08%−1.44

芝は差が0.96ポイントから0.40ポイントまで縮みます。内枠は先頭の位置を取りやすく、後方に置かれにくい。芝の内枠有利は、半分以上が位置の取りやすさで説明できることになります。

ダートは縮みません。先頭に立つ割合は内枠のほうが高い(1枠10.0%、8枠5.8%)ので、そろえるとその有利分が消えて差が残ります。ダートの外枠有利は、位置の取りやすさとは別のところから来ているようです。

枠番ごとの勝率の違いについては枠順の有利・不利で詳しく分析しています。

まとめ

  • 先頭になる割合は内枠ほど高い: 芝は1枠8.8%・7枠5.0%、ダートは1枠10.0%・7枠5.1%。両馬場で一致
  • 「前」と「後」は馬場で逆になる: 「前」が外枠ほど高いのはダートだけ(30.2%→40.0%)。「後」は芝で外枠ほど増え、ダートでは減る
  • 芝で枠差が出るのは「前」だけ: 内枠が約1ポイント高い。「先頭」「中」「後」では差がない
  • ダートは「先頭」と「前」で外枠が有利: それぞれ7ポイント、2.2ポイント
  • 芝とダートで成り立ちが違う: 位置の取りやすさをそろえると、芝の枠差は0.96→0.40ポイントに縮むが、ダートは縮まない

芝の内枠有利は、半分以上が位置の取りやすさで説明できます。一方ダートの外枠有利は位置の取りやすさでは説明できず、最終コーナーの時点でもそのまま残っていました。

枠番と勝率の関係については枠順の有利・不利でも分析しています。

更新履歴

  • 「脚質」という呼び方をやめ、コーナー通過順位による区分(先頭・前・中・後)に整理しました。基準を第1コーナーから最終コーナーに変更しました。同じ区分の中での枠番別勝率の検証内容を追記しました。

本記事の集計は、原則として 2021〜2025 年の JRA レースの公開データに基づいています。集計条件や計算式は記事中に明記していますが、データの集計や解釈に誤りがある可能性もありますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。

本記事は馬券の購入を推奨・助言するものではありません。詳しくは About および プライバシーポリシー をご覧ください。

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