競馬の予想でよく使われる「脚質」について、基本的な分類と勝率の違いをデータで確認してみます。
脚質の4分類
脚質とは、レース中にどのポジションで走るかを表すものです。一般的に以下の4つに分類されます。
- 逃げ: レースの先頭に立ち、自分のペースで走る
- 先行: 先頭グループの好位置につけ、逃げ馬を見ながら追走する
- 差し: 中団に控え、直線で前の馬を交わしにいく
- 追込: 後方に待機し、直線での末脚に賭ける
脚質は馬ごとに固定されているわけではなく、同じ馬でもレースの展開やペースによって変わります。
今回の集計では、最終コーナーの通過順位をもとに脚質を振り分けました。具体的には、先頭を逃げとし、残りの馬を通過順に3等分して前から先行・差し・追込としました。出走頭数が3で割り切れない場合は端数の関係で各グループに1頭程度の差が出るため、出走数は完全には一致しません。
対象は2021〜2025年のJRA平地全レース(227,048出走)です。
前にいるほど勝率が高い
脚質ごとの出走数・勝率・複勝率です。
| 脚質 | 出走数 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|
| 逃げ | 16,513 | 23.30% | 49.75% |
| 先行 | 80,683 | 11.23% | 33.40% |
| 差し | 68,451 | 4.15% | 16.06% |
| 追込 | 61,401 | 1.30% | 5.64% |
グラフにすると、ポジションが前になるほど勝率が高いことがはっきりわかります。

逃げの勝率は23.30%で、追込の1.30%と比べると約18倍です。最終コーナーを先頭で通過した馬が約4回に1回は勝っている計算になります。複勝率も49.75%とほぼ2回に1回は3着以内に入っています。
芝とダートで差がある
芝・ダート別に見ると、逃げの有利さに差があります。
| 脚質 | 芝 勝率 | 芝 複勝率 | ダート 勝率 | ダート 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 逃げ | 20.26% | 44.92% | 26.27% | 54.45% |
| 先行 | 10.91% | 32.13% | 11.53% | 34.60% |
| 差し | 5.31% | 19.18% | 3.09% | 13.20% |
| 追込 | 1.76% | 6.82% | 0.90% | 4.60% |
グラフにすると、ダートのほうが前方有利の傾向が強いことがわかります。

ダートの逃げは勝率26.27%で、芝の逃げ(20.26%)より6ポイント高くなっています。逆に、差しと追込はダートのほうが勝率が低く、追込に至ってはダートで0.90%しかありません。
ダートは芝に比べてスピードの加速がつきにくく、後方から一気に差し切ることが難しいとされています。データからもその傾向が読み取れます。芝のほうが差し・追込の勝率が相対的に高いのは、直線でスピードに乗りやすく、前との差を詰めやすいことが影響していると考えられます。
クラスが上がると逃げの優位は薄れる
新馬・未勝利戦と1勝クラス以上で比較すると、前方有利の度合いが変わります。
| 脚質 | 新馬・未勝利 勝率 | 1勝クラス以上 勝率 |
|---|---|---|
| 逃げ | 27.51% | 20.02% |
| 先行 | 11.41% | 11.08% |
| 差し | 3.12% | 4.99% |
| 追込 | 0.66% | 1.86% |
グラフにすると、クラスによる差し・追込の勝率差がわかります。

新馬・未勝利戦では逃げの勝率が27.51%と高く、追込はわずか0.66%です。新馬・未勝利戦では馬の能力差が大きく、前に行ける馬がそのまま押し切れるケースが多いと考えられます。
1勝クラス以上になると逃げの勝率は20.02%に下がり、差し(4.99%)や追込(1.86%)の勝率が上がっています。クラスが上がるにつれて馬の実力が拮抗し、後方からでも差し切れる展開が増えるのだと思われます。
第1コーナーで見ても前方有利
ここまでの集計は最終コーナーの通過順位に基づいており、ゴールに近い時点のポジションなので勝率と直結しやすいのは当然とも言えます。そこで、第1コーナーの通過順位で同じ分類をしてみます。
| 脚質 | 第1コーナー 勝率 | 最終コーナー 勝率 |
|---|---|---|
| 逃げ | 18.79% | 23.30% |
| 先行 | 10.30% | 11.23% |
| 差し | 5.34% | 4.15% |
| 追込 | 2.61% | 1.30% |
グラフにすると、第1コーナー基準のほうが勝率差が小さいことがわかります。

第1コーナーの時点でも前方有利の傾向は出ていますが、最終コーナーほど極端ではありません。逃げと追込の差は約7倍で、最終コーナー基準の約18倍と比べると穏やかです。
クラス別に見ると、こちらも最終コーナーと同じ傾向です。
| 脚質 | 新馬・未勝利 勝率 | 1勝クラス以上 勝率 |
|---|---|---|
| 逃げ | 22.13% | 16.17% |
| 先行 | 10.50% | 10.12% |
| 差し | 4.48% | 6.05% |
| 追込 | 1.82% | 3.26% |

1勝クラス以上の追込は3.26%で、最終コーナー基準(1.86%)よりだいぶ高くなっています。レース序盤に後方にいても、道中でポジションを上げて勝ち切る馬が一定数いるということです。新馬・未勝利戦ではそうした器用な競馬をできる馬が少なく、序盤のポジションがそのまま結果に直結しやすいようです。
脚質分類の注意点
今回の脚質分類はコーナー通過順位というレースの結果に基づいています。逃げ馬の勝率が高いのは、最終コーナーで先頭にいる時点で物理的に有利だからであり、当然とも言えます。第1コーナー基準でも前方有利は確認できましたが、それでもレースが始まってからのポジションである以上、事前に確定できる情報ではありません。
実際の予想で重要なのは、「この馬がそのレースでどのポジションを取れるか」を事前に読むことです。過去に逃げて好走した馬でも、同型(逃げたい馬)が複数いるレースではハイペースになり、潰れることもあります。
本記事の集計は、原則として 2021〜2025 年の JRA レースの公開データに基づいています。集計条件や計算式は記事中に明記していますが、データの集計や解釈に誤りがある可能性もありますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。
本記事は馬券の購入を推奨・助言するものではありません。詳しくは About および プライバシーポリシー をご覧ください。
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