荒れやすい競馬場、堅い競馬場では競馬場ごとの荒れやすさを比較しました。今回は「レースの条件」に着目して、1番人気が勝ちやすいレースと勝ちにくいレースを整理してみます。
対象は2021〜2025年のJRA全レースです。1番人気の勝率は「1番人気が勝ったレース数 ÷ 全レース数」で計算しています。
クラス別 — 上のクラスほど荒れる
クラスごとの1番人気の勝率と3連単の平均配当です。
| クラス | レース数 | 1番人気勝率 | 1番人気複勝率 | 3連単平均配当 |
|---|---|---|---|---|
| 新馬 | 1,504 | 34.38% | 67.22% | 122,298円 |
| 未勝利 | 6,160 | 35.10% | 69.03% | 118,611円 |
| 1勝クラス | 4,615 | 33.43% | 63.81% | 127,790円 |
| 2勝クラス | 2,341 | 35.92% | 64.76% | 121,846円 |
| 3勝クラス | 1,065 | 29.20% | 57.28% | 162,498円 |
| オープン | 1,524 | 27.03% | 57.61% | 169,140円 |
未勝利〜2勝クラスでは1番人気の勝率が33〜36%と安定していますが、3勝クラスで29.20%に落ち、オープンでは27.03%まで下がります。3連単の平均配当も3勝クラス以上で一気に跳ね上がっています。
未勝利の複勝率69.03%は全クラス中最高です。未勝利戦は出走馬の実力差が大きく、1番人気が3着以内に残りやすいということでしょう。一方、勝率トップは2勝クラスの35.92%。ここまで勝ち上がった馬の中で、力の差がはっきりしている馬は確実に結果を出していると考えられます。
上位クラスが荒れやすいのは、出走馬の実力が拮抗しているためと思われます。オープンやG1では「弱い馬」がほぼいないため、ちょっとした展開や状態の差で順位が入れ替わりやすいのでしょう。
斤量条件別 — ハンデ戦は荒れる
斤量条件ごとの成績です。平地レースのみの集計です。
| 斤量条件 | レース数 | 1番人気勝率 | 1番人気複勝率 | 3連単平均配当 |
|---|---|---|---|---|
| 馬齢 | 8,228 | 34.70% | 67.85% | 119,947円 |
| 定量 | 6,712 | 33.76% | 63.29% | 131,651円 |
| 別定 | 701 | 27.39% | 58.49% | 142,307円 |
| ハンデ | 957 | 26.12% | 55.80% | 174,893円 |
ハンデ戦の1番人気勝率は26.12%で、馬齢戦(34.70%)と比べて8.58ポイントも低くなっています。3連単の平均配当は174,893円と、馬齢戦の約1.5倍です。
ハンデ戦は実力に応じて斤量が調整されるため、馬の能力差が均されやすくなります。その分、展開や騎手の判断が結果を左右しやすく、人気通りに決まりにくいのだと思います。
馬齢戦は新馬・未勝利に多い条件で、能力差がそのまま結果に出やすいため、最も堅い結果になっていると考えられます。
クラス×斤量で見る
クラスと斤量を掛け合わせると、より具体的な傾向が見えます。50レース以上あるものを抽出しました。
| クラス × 斤量 | レース数 | 1番人気勝率 |
|---|---|---|
| 新馬 × 馬齢 | 1,504 | 34.38% |
| 未勝利 × 馬齢 | 5,754 | 34.97% |
| 1勝クラス × 馬齢 | 768 | 35.55% |
| 1勝クラス × 定量 | 3,847 | 33.01% |
| 2勝クラス × 定量 | 2,095 | 36.56% |
| 2勝クラス × ハンデ | 246 | 30.49% |
| 3勝クラス × 定量 | 676 | 29.88% |
| 3勝クラス × ハンデ | 389 | 28.02% |
| オープン × 定量 | 94 | 29.79% |
| オープン × 馬齢 | 202 | 26.24% |
| オープン × 別定 | 701 | 27.39% |
| オープン × ハンデ | 322 | 20.50% |
グラフにすると、クラスが上がるほど・ハンデ戦ほど勝率が下がる傾向が見えてきます。

最も堅いのは2勝クラスの定量戦(36.56%)、最も荒れるのはオープンのハンデ戦(20.50%)です。その差は16ポイント以上。オープンのハンデ戦では1番人気が5回に1回しか勝てていません。
芝・ダート・障害
馬場の種類による比較です。
| 馬場 | レース数 | 1番人気勝率 | 1番人気複勝率 | 3連単平均配当 |
|---|---|---|---|---|
| 障害 | 611 | 36.50% | 71.52% | 62,891円 |
| ダート | 8,524 | 34.27% | 65.15% | 133,633円 |
| 芝 | 8,685 | 32.99% | 65.16% | 123,878円 |
意外かもしれませんが、1番人気の勝率が最も高いのは障害レースです。36.50%、複勝率は71.52%とかなりの安定感があります。障害レースは出走頭数が少なく(多くは14頭以下)、実力差が出やすいためと考えられます。3連単の平均配当も62,891円と、平地の半分以下です。
平地ではダート(34.27%)が芝(32.99%)をわずかに上回っています。ただし3連単の平均配当はダートのほうが高い(133,633円 vs 123,878円)という、やや矛盾した結果です。ダートは1番人気が勝ちやすい一方で、荒れたときの配当が大きくなる傾向があるようです。
出走頭数 — 少頭数ほど堅い
出走頭数を4つの区分に分けて比較します。平地レースのみです。
| 出走頭数 | レース数 | 1番人気勝率 |
|---|---|---|
| 8頭以下 | 970 | 43.61% |
| 9〜12頭 | 4,154 | 36.69% |
| 13〜15頭 | 5,138 | 32.25% |
| 16頭以上 | 6,377 | 30.72% |
8頭以下では43.61%と圧倒的で、16頭以上では30.72%まで下がります。頭数が多いほど不確定要素が増え、人気馬が不利を受けやすくなるためでしょう。
距離帯 — 長距離はやや堅い
距離帯ごとの比較です。平地レースのみです。
| 距離帯 | レース数 | 1番人気勝率 | 1番人気複勝率 |
|---|---|---|---|
| 短距離(〜1400m) | 6,113 | 32.18% | 62.75% |
| マイル(1500〜1800m) | 7,178 | 34.30% | 66.20% |
| 中距離(1900〜2200m) | 2,605 | 33.78% | 66.10% |
| 長距離(2300m〜) | 702 | 36.18% | 66.24% |
長距離が36.18%で最も高く、短距離が32.18%で最も低い結果です。長距離は出走頭数が比較的少ないことに加え、スタミナという明確な適性が求められるため、実力馬が順当に残りやすいのかもしれません。短距離はスタートやポジショニングの影響が大きく、紛れが生じやすいと考えられます。
まとめ
1番人気の勝率は、レースの条件によって20%台から40%台まで大きく変わります。
堅いレース(1番人気が勝ちやすい)
- 少頭数(8頭以下): 43.61%
- 障害レース: 36.50%
- 2勝クラスの定量戦: 36.56%
- 未勝利戦: 35.10%
荒れやすいレース(1番人気が勝ちにくい)
- オープンのハンデ戦: 20.50%
- ハンデ戦全体: 26.12%
- オープン全体: 27.03%
- 多頭数(16頭以上): 30.72%
レースの条件を見るだけで、堅く収まりやすいのか荒れやすいのかの目安がつきます。競馬場ごとの荒れやすさと合わせて見ると、よりレースの性格が見えてくるかもしれません。
本記事の集計は、原則として 2021〜2025 年の JRA レースの公開データに基づいています。集計条件や計算式は記事中に明記していますが、データの集計や解釈に誤りがある可能性もありますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。
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