枠順の有利不利の記事で、ダート全体の枠順傾向を確認しました。今回はその中でも「芝スタート」に注目します。
ダートレースの中には、スタート地点が芝コース上にあるものがあります。外枠の馬ほど芝の上を長く走れるため、スタート直後の加速で有利になると言われています。これが実際にどの程度のものなのか、競馬場ごとに検証してみました。対象は2021〜2025年のJRA平地ダートレースです。
芝スタートのダートコース一覧
JRAの競馬場のうち、以下のコースがダートレースで芝スタートとなります。
| 競馬場 | 芝スタートの距離 |
|---|---|
| 福島 | 1150m |
| 新潟 | 1200m |
| 東京 | 1600m |
| 中山 | 1200m |
| 中京 | 1400m |
| 京都 | 1400m |
| 阪神 | 1400m、2000m |
札幌・函館・小倉にはダートの芝スタートコースがありません。
検証方法
芝スタートだけを見ても、それが本当に「芝スタートだから」有利なのかは分かりません。同じ競馬場のダートスタートのコースと比較して、芝スタート特有の傾向があるかどうかを確認する必要があります。
そこで、各競馬場のダート全距離の枠番別勝率を1つのグラフにまとめ、芝スタートのコース(緑の線)とダートスタートのコースを比較しました。
なお、勝率は各レースで1着になった割合です。各枠の出走延べ数はレース数に比例するため、凡例にはレース数を記載しています。
東京競馬場

東京ダート1600m(芝スタート)は、1枠5.0%から8枠8.4%へと右肩上がりの傾向がはっきりしています。一方、ダートスタートの3コース(D1300m・D1400m・D2100m)にはこうした傾向が見られません。
D1300mとD1400mはD1600mのスタート地点より手前(ダート上)からの発走で、コーナーや直線のレイアウトはほぼ共通です。走る区間が似ているにもかかわらず枠順バイアスがまったく異なるため、芝スタートの影響が表れていると考えられます。
コースの詳細はJRA 東京競馬場コース紹介で確認できます。
阪神競馬場

阪神は芝スタートが2コース(D1400m・D2000m)あります。
D1400m(芝スタート)は8枠が9.4%で最も高いですが、D1200m(ダートスタート)も8枠9.5%とほぼ同じ値です。D1200mはD1400mのスタート地点より手前(ダート上)からの発走で、走る区間がほぼ重なります。それでも枠順バイアスが似ているため、芝スタートの影響は限定的です。
D2000m(芝スタート)は101レースとサンプルが少なく、ばらつきが大きいです。D1800m(ダートスタート)はD2000mの手前からの発走で582レースと信頼度が高く、4〜5枠がピークで8枠はやや落ちています。
コースの詳細はJRA 阪神競馬場コース紹介で確認できます。
中京競馬場

中京D1400m(芝スタート)は1枠5.2%→6枠7.6%と緩やかな右肩上がりですが、8枠は6.9%に落ちます。
D1200m(ダートスタート)はD1400mの手前からの発走です。7枠が3.7%と極端に低く、8枠は8.7%で最高値。D1800m・D1900mはフラットでばらつきが大きく、明確な傾向はありません。
芝スタートとダートスタートで明確な差は見られません。
コースの詳細はJRA 中京競馬場コース紹介で確認できます。
中山競馬場

中山D1200m(芝スタート)は6枠8.2%がピークで、8枠は7.7%。東京D1600mのような「8枠が最強」のパターンではありません。
D1800m(ダートスタート)はむしろ8枠が9.0%で最も高く、芝スタートのD1200mより外枠有利の傾向が強いです。D2400m(ダートスタート)は45レースしかなく、ノイズが大きいです。
コースの詳細はJRA 中山競馬場コース紹介で確認できます。
参考: その他の競馬場
京都・新潟・福島はレース数が少なく、枠ごとの勝ち数が限られるためばらつきが大きいです。参考程度にご覧ください。
京都競馬場

京都は2020年から2023年にかけて改修工事が行われていたため、他の競馬場に比べてレース数が少なく、ばらつきが大きい点に注意が必要です。
D1400m(芝スタート)は5枠8.7%がピークで、8枠は7.2%。D1200m(ダートスタート)はD1400mの手前からの発走ですが、7枠11.3%が突出するなど不規則です。D1800m・D1900mも含め、全体的にサンプル不足の影響が大きく、芝スタートの影響は読み取れません。
コースの詳細はJRA 京都競馬場コース紹介で確認できます。
新潟競馬場

新潟D1200m(芝スタート)は4枠8.1%がピークで、8枠は7.0%。外枠有利の傾向は見られません。
D1800m(ダートスタート)は5枠9.5%が突出しており、こちらも枠順との関係は不規則です。
コースの詳細はJRA 新潟競馬場コース紹介で確認できます。
福島競馬場

福島D1150m(芝スタート)は8枠9.3%が最も高いですが、3枠8.9%や1枠8.2%も高く、全体的にジグザグです。169レースとサンプルが少ないことも影響していそうです。
D1700m(ダートスタート)もフラットでばらつきがあり、芝スタートとの差は見られません。
コースの詳細はJRA 福島競馬場コース紹介で確認できます。
まとめ
東京ダート1600mでは、芝スタートによる外枠有利が明確に確認できました。1枠5.0%に対して8枠8.4%と、きれいな右肩上がりになっています。同じ東京のダートスタート(D1300m・D1400m)ではこの傾向が見られないため、芝スタートの影響と言えそうです。
一方、他の6場では芝スタートのコースとダートスタートのコースで枠順による勝率の偏りに大きな差はありませんでした。
東京D1600mは芝部分が比較的長く、内枠と外枠で芝の上を走れる距離に差がつきやすいことが影響しているのかもしれません。また、東京は直線が長いため、スタート直後の加速差がそのまま結果に反映されやすい面もありそうです。
本記事の集計は、原則として 2021〜2025 年の JRA レースの公開データに基づいています。集計条件や計算式は記事中に明記していますが、データの集計や解釈に誤りがある可能性もありますので、あくまでも参考情報としてご覧ください。
本記事は馬券の購入を推奨・助言するものではありません。詳しくは About および プライバシーポリシー をご覧ください。
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